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ヒロイン三国ファンタジー
第20章 20 決着
 出会った頃は理想を追求し、真理と神秘を探る、永遠の青年のようであった。
しかし三顧の礼で玄徳に迎えられてからは、時間凍結から溶けたように歳を重ね、老いていった。

 理知的な彼は黄氏を抱くときでさえ、知略をもって、絶頂にいざない乱れることはなかったが、軍師となってからは戦の度に激しく淫らに貪るように黄氏を抱いた。

「あ、あなたっ、は、激し、すぎ、ですわっ」
「ああ、すまない。どうも、力の、加減がっ、う、う、くっ」

 たっぷりとした尻に細い指を食い込ませるようにしっかりと掴み、法則を無視したような乱雑さで黄氏を突き上げる。まるで将軍が騎乗で戦っているかのようである。
 血飛沫の代わりに二人の汗と愛液が飛び散る。

「だ、だめっ、やあっ、い、いくっ」
「ダメだっ、まだ、いくなっ、もう少し、付き合ってくれっ」

「ああうっ、ううっ、ひっ、ぐううっ」

 まるで荒くれ者のように、獣のように交わる様になり、黄氏自身も自分の中の淫蕩な雌の欲望に触れる。



 その行為も今ではもう懐かしい思い出となる。

「あたくし達は玄徳様と知り合って、あの草庵を出たときに――吾多夢と異舞のように楽園を出て地に堕ちたのですわね」

 黄氏は冷たい諸葛亮の頬を撫で、来世に思いを馳せる。

「肉体は朽ち果てても――あなたは次はどのような人生をお選びになる?」

 彼の存在は伝説になるであることは黄氏には分っている。しかし来世ではだれにも知られずとも、認められずとも安らぎ幸せな人生を送って欲しいと願った。
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