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ヒロイン三国ファンタジー
第23章 23 三国を巡って
 このまま司馬懿はぼんやりと余生を過ごすのかと思っているところに、王陵の乱がおこる。
 王陵は魏と呉の国境を守っていた重鎮であるが、司馬家の曹家乗っ取りを快く思わず、新しい皇帝に曹操の息子である曹彪を立て反乱の計画を立てる。
 恍惚としている司馬懿はこの計画を武将の黄華から聞いたとき、瞬時に夢から覚めたように立ち上がり、即、王陵を討伐に向かう。
 王陵、曹彪を滅ぼし平定したのち、まるでやりつくしたように永眠する。72歳であった。

 この反乱の失敗により政権は確実に曹家から司馬家へと移動したように見える。これからまた政変があるとすれば、それは司馬家が本格的に魏王朝を倒すことになるであろう。

 曹操が築いたこの国は色々と慌ただしく忙しい。魏国はいつまで魏国であろうか。
魏王朝が倒れるのであれば、三国鼎立が維持できぬかもしれぬと尚香は予想する。

 曹操は劉備を自分と同じ英雄と扱い、尊重し、しかし相容れず敵対していた。その間をうまく行き来していたのが『呉』である。
二人が死に、司馬懿と諸葛亮の天秤に変わり、それももうない。
三国鼎立からおよそ30年。この均衡を打ち破るものは何か、誰なのか。
 尚香は魏の内政と司馬家の動きを、ある程度把握すると、魏を離れ呉に戻ることにした。
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