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ヒロイン三国ファンタジー
第25章 25 蜀の落日
後世のものが自分を暗君と呼ぶのは分かっている。
劉備の息子であるという圧力から、宦官である黄皓の佞言と酒に逃げ、現実に立ち向かうこともなかった。
逃げ惑う事しかできず、言われるままに娶り、世継ぎを残した。
しかし子らの中には、この劉禅の降伏に絶望し、自害して果てたものもいる。残った子らに劉備の意志を受け継ぐ者がいるようにと願うことしかできなかった。
母の愛を知らず生まれながら孤独であった劉禅は、それでも劉備ができなかった、多くの世継ぎを残し、血脈を繋げていた。
それから10年近く何事にも巻き込まれず、劉禅は65歳の生涯を閉じる。
その懐には何度も読み返し、襤褸になった諸葛亮の『出師表』が大事にしまわれていた。
劉備の息子であるという圧力から、宦官である黄皓の佞言と酒に逃げ、現実に立ち向かうこともなかった。
逃げ惑う事しかできず、言われるままに娶り、世継ぎを残した。
しかし子らの中には、この劉禅の降伏に絶望し、自害して果てたものもいる。残った子らに劉備の意志を受け継ぐ者がいるようにと願うことしかできなかった。
母の愛を知らず生まれながら孤独であった劉禅は、それでも劉備ができなかった、多くの世継ぎを残し、血脈を繋げていた。
それから10年近く何事にも巻き込まれず、劉禅は65歳の生涯を閉じる。
その懐には何度も読み返し、襤褸になった諸葛亮の『出師表』が大事にしまわれていた。