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ヒロイン三国ファンタジー
第26章 26 呉の終焉
 蜀の状況を風俗も含めて話し出すと、孫権は碧い目を輝かせ聞き入る。昔からそうであった。彼は自ら新しい冒険をすることはないが、人の冒険譚を聞くことが好きであった。

 話している間、それはおかしいとか、信じられぬなどと、どのような話にも否定することなく最後まで聞く。その性質が陸遜への讒言を受け入れてしまった要因かもしれない。

 しかし新しい教えをすんなり受け入れられる度量があるのも確かである。あらかた話し終え、孫権は満足そうな表情を見せ、同時に考え込む様子を見せる。

「それで、尚香よ。呉、存続のためにはどうすればよいであろうか。存続の意味はあるのであろうか」
「呉には蜀にも魏にも劣らぬものがあります」

「なんだ」
「儒教に縛られていないことであり、潔癖過ぎない懐の深さでしょう」

「ふむ。なるほど、さすがは我が妹よ。ああ、そなたが戻ってくれて朕は安心である。よければ孫たちの教育をしてほしい」
「孫ですか……。そういえば孫晧はどのような子です? 僧会殿のところで見かけましたが」

「ああ、孫晧はよいぞ。あれは心が優しくいつも世の中を憂いておる。僧会も見所があると言っておったな」
「そうですかではわたしはもうここに留まり、善き国造りに補佐したいと存じます」

「うん。うん。今日はここちよく眠れそうじゃ……」

 うつらうつらし始める孫権に、尚香は「ではそろそろ」と頭を下げ部屋を出た。
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