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ヒロイン三国ファンタジー
第1章 1 桃園の誓い
騒めきと砂埃が舞い散る雑踏を荷車を引きながら商いに良さそうな場所を探し求めていると人だかりが見えたので行ってみた。立て看板に朝廷からのお達しがある。今世間を騒がしている黄巾党を討伐するための義勇軍を募っているようだ。
「義勇軍……」
はあっと大きなため息をつき玄徳は通り過ぎると大柄でどんぐり眼のひげもじゃの男が因縁をつけてきた。
「おう、おうっ、なんでえ。このなまっちろい優男は、おめえにもついてるものが付いてるんだろうよ?」
雑多な民草の中で彼はなぜか玄徳だけに吸引されるように因縁をつけ絡む。目が合った瞬間に玄徳にも胸に火花のようなものがパチッと燃えた気がして、普段はこのような輩を静かに無視をするところ、それができなかった。
向き合ってむさくるしい男のまん丸い目を見る。大の男なのに子供のような純粋さと熱気を感じ思わずじいっと見入った。
「な、なんでいっ」
男はなぜか顔を赤らめ下を向く。その様子に玄徳は心が温かくなる気がしていた。
「私がため息をついたのは自分の非力さを悔やんでの事です。あなたのように力があるわけでもない。武器もない。老いた母を置いて一人討伐に加わって何の手柄もたてられないことが辛いのです」
「そうであったか。そんな理由でため息をついているとは想像もしなかった。どうだろう。一緒に連れ立って討伐に加われば手柄が立てられるのではないだろうか。今うちに俺と同じくこの世の中をどうにかしたいと思っている義兄弟がいるのだ。これからの事を一緒に話し合わないか?」
「へえ。この世の中を憂いているだけでなくどうにかしたいとお考えなのか。是非!」
「俺は張飛益徳と申す」
「私は劉備玄徳です」
玄徳は荷車を引いて男の屋敷へとついて行った。
「義勇軍……」
はあっと大きなため息をつき玄徳は通り過ぎると大柄でどんぐり眼のひげもじゃの男が因縁をつけてきた。
「おう、おうっ、なんでえ。このなまっちろい優男は、おめえにもついてるものが付いてるんだろうよ?」
雑多な民草の中で彼はなぜか玄徳だけに吸引されるように因縁をつけ絡む。目が合った瞬間に玄徳にも胸に火花のようなものがパチッと燃えた気がして、普段はこのような輩を静かに無視をするところ、それができなかった。
向き合ってむさくるしい男のまん丸い目を見る。大の男なのに子供のような純粋さと熱気を感じ思わずじいっと見入った。
「な、なんでいっ」
男はなぜか顔を赤らめ下を向く。その様子に玄徳は心が温かくなる気がしていた。
「私がため息をついたのは自分の非力さを悔やんでの事です。あなたのように力があるわけでもない。武器もない。老いた母を置いて一人討伐に加わって何の手柄もたてられないことが辛いのです」
「そうであったか。そんな理由でため息をついているとは想像もしなかった。どうだろう。一緒に連れ立って討伐に加われば手柄が立てられるのではないだろうか。今うちに俺と同じくこの世の中をどうにかしたいと思っている義兄弟がいるのだ。これからの事を一緒に話し合わないか?」
「へえ。この世の中を憂いているだけでなくどうにかしたいとお考えなのか。是非!」
「俺は張飛益徳と申す」
「私は劉備玄徳です」
玄徳は荷車を引いて男の屋敷へとついて行った。