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ヒロイン三国ファンタジー
第8章 8 三顧の礼
 数年の間、荊州で劉表の後継者争いに巻き込まれながらも、挙兵してから初めて長く一箇所に留まることとなった。

そして玄徳は今、身重の身体を労わられているところである。

「兄者、あまり動いてはなりませぬ」
「そうだそうだ。何か用事があればいつでも俺がやるからな」
「我が君、何なりと」

関羽、張飛に趙雲を加え四兄弟となった玄徳はわずかに膨らんだ腹を撫で「そんなに心配せずとも」と言いかけたが、夫人たちも口々に「安静に」と口を酸っぱくして言う。

「赤子が生まれたら、あたくし達が精一杯お世話いたしますわ」
「ありがとう」

今までも玄徳は何度か身籠ったが、戦と流浪故か子は流れていた。しかしこの荊州にてやっと子が望めるのだった。

「では奥方様たち兄者をよろしくお願いいたします」

三兄弟は夫人たちに任せ外に出た。城内ではいつ劉表の次男派の間諜に聞かれるかもしれぬと町に出て酒場で話し合うことにした。
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