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ヒロイン三国ファンタジー
第8章 8 三顧の礼
「こうなるとしばらく兄者にはじっとしてもらわねばならないが、どうしたものか」
「うーむ。曹操の動きが気になるしなあ」
「劉表殿の配下の蔡瑁殿も不穏な動きをしておられるようですし」
さすがの張飛も酒を飲むことなく玄徳の身を案じ真剣にこれからのことを考えようとしている。その時ふらりと見知らぬものが酒場に入ってきた。
ひょろりとした背の高い男は物静かな様子で店主に酒を頼み、静かに飲んだ。
その様子を見て、張飛はまたからかいたがりの性分を出し、その男の席に着いた。
「ようよう。そんな飲み方があるか!? 男なら、ほら、ぐぃっと」
「張飛!」
関羽はため息をついて張飛の襟首をつかみ「ご無礼つかまつった」と男に詫びる。
男は怒るどころか喜んで「いえいえ! お三方はもしや有名な劉備様の義兄弟であられるか?」と立ち上がる。
「わしは関羽。こちらは趙雲、そしてこれは張飛だ」
「ああ! やはり。実は私はこれから軍師として劉備様にお伝えしたく、景気づけに酒を飲もうと立ち寄ったのです。本当はろくにのめないのですが」
「ほお。兄者に仕えたいとな。して軍師とはいったい何をするものだ」
「軍師とは策略や智謀にて主君をお助けし、また戦では有利な布陣を敷き相手を撃破するのです」
「ふーん。俺には今ひとつわからぬなあ。戦では強さであろう」
「確かに強さは必須です。しかし膠着している戦いにおいては智謀によって勝敗が決まりかねません」
「なるほど。官渡の戦いでもまさかの袁紹軍大敗であったしな」
「関羽殿、張飛殿。これから我が君は大変な時期に入られます。軍師が必要ではないでしょうか」
「大変な時期ですと?」
「いや、なんでもないが、こちらの話だ」
「まあ、ここで出会ったのも何かの縁であろう。さっそく兄者の元へ連れて行こう」
「これは、ありがたい。どうぞよろしくお願いいたします」
早速、男を連れ、玄徳へと会せる。彼は官渡の戦いを始め、曹操軍が行ってきた策略の概要を話して聞かせ皆をうならせた。
また曹操の軍師たち、郭嘉、程昱、荀彧の話をするとますます軍師というものの重要さを知った。
こうしてその男、徐庶は玄徳の軍師として仕えることとなった。
「うーむ。曹操の動きが気になるしなあ」
「劉表殿の配下の蔡瑁殿も不穏な動きをしておられるようですし」
さすがの張飛も酒を飲むことなく玄徳の身を案じ真剣にこれからのことを考えようとしている。その時ふらりと見知らぬものが酒場に入ってきた。
ひょろりとした背の高い男は物静かな様子で店主に酒を頼み、静かに飲んだ。
その様子を見て、張飛はまたからかいたがりの性分を出し、その男の席に着いた。
「ようよう。そんな飲み方があるか!? 男なら、ほら、ぐぃっと」
「張飛!」
関羽はため息をついて張飛の襟首をつかみ「ご無礼つかまつった」と男に詫びる。
男は怒るどころか喜んで「いえいえ! お三方はもしや有名な劉備様の義兄弟であられるか?」と立ち上がる。
「わしは関羽。こちらは趙雲、そしてこれは張飛だ」
「ああ! やはり。実は私はこれから軍師として劉備様にお伝えしたく、景気づけに酒を飲もうと立ち寄ったのです。本当はろくにのめないのですが」
「ほお。兄者に仕えたいとな。して軍師とはいったい何をするものだ」
「軍師とは策略や智謀にて主君をお助けし、また戦では有利な布陣を敷き相手を撃破するのです」
「ふーん。俺には今ひとつわからぬなあ。戦では強さであろう」
「確かに強さは必須です。しかし膠着している戦いにおいては智謀によって勝敗が決まりかねません」
「なるほど。官渡の戦いでもまさかの袁紹軍大敗であったしな」
「関羽殿、張飛殿。これから我が君は大変な時期に入られます。軍師が必要ではないでしょうか」
「大変な時期ですと?」
「いや、なんでもないが、こちらの話だ」
「まあ、ここで出会ったのも何かの縁であろう。さっそく兄者の元へ連れて行こう」
「これは、ありがたい。どうぞよろしくお願いいたします」
早速、男を連れ、玄徳へと会せる。彼は官渡の戦いを始め、曹操軍が行ってきた策略の概要を話して聞かせ皆をうならせた。
また曹操の軍師たち、郭嘉、程昱、荀彧の話をするとますます軍師というものの重要さを知った。
こうしてその男、徐庶は玄徳の軍師として仕えることとなった。