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ヒロイン三国ファンタジー
第10章 10 江東の女傑
孫劉連盟軍と曹操軍は赤壁の戦いに置いてまさかの曹操軍が惨敗する。大損害を被り、曹操はしばらく国力回復のため戦を休止することとなった。
玄徳は周瑜が南郡へ進軍している間に荊州4郡を手に入れる。そのことによって孫劉連盟はまた分裂の危機にあった。結局、玄徳が蜀を取ったのち孫権に荊州を渡すということになった。
そして今、甘夫人の命が尽きようとしていた。
「玄徳様。今までありがとうございました。そろそろあたしは糜夫人の元へ参ります」
「甘夫人……」
「まあ、そのようにあたしのためにお泣きになって……。天下人はそのように涙を流してはいけませんよ……」
「わかった……」
「あたしは幸せでした。ただ阿斗様と殿のお世話がもうできないことが残念です」
「ああ、いかないで欲しい。でも……糜夫人が亡くなった後、それでもよく仕えてくれましたね。礼を言うのはこちらです。ありがとう甘夫人」
優しく微笑みを見せた後、玄徳に握られていた手の力が抜けた。
「うっ、ううっ――」
母が亡くなり、糜夫人を長坂坡の戦いで亡くし、今、甘夫人も逝った。戦いの中、夫人の中に安らぎを得ていた玄徳はしばらく心の中が虚ろになったような気がしていた。
玄徳は周瑜が南郡へ進軍している間に荊州4郡を手に入れる。そのことによって孫劉連盟はまた分裂の危機にあった。結局、玄徳が蜀を取ったのち孫権に荊州を渡すということになった。
そして今、甘夫人の命が尽きようとしていた。
「玄徳様。今までありがとうございました。そろそろあたしは糜夫人の元へ参ります」
「甘夫人……」
「まあ、そのようにあたしのためにお泣きになって……。天下人はそのように涙を流してはいけませんよ……」
「わかった……」
「あたしは幸せでした。ただ阿斗様と殿のお世話がもうできないことが残念です」
「ああ、いかないで欲しい。でも……糜夫人が亡くなった後、それでもよく仕えてくれましたね。礼を言うのはこちらです。ありがとう甘夫人」
優しく微笑みを見せた後、玄徳に握られていた手の力が抜けた。
「うっ、ううっ――」
母が亡くなり、糜夫人を長坂坡の戦いで亡くし、今、甘夫人も逝った。戦いの中、夫人の中に安らぎを得ていた玄徳はしばらく心の中が虚ろになったような気がしていた。