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ヒロイン三国ファンタジー
第12章 12 大いなる犠牲
「まったく士元は軍師としても一流であるのにこのような特技があるとは。天はあなたに二物も与えているのですね」
「そ、そんな、我が君。では、これで」
ほんのり温かい湯の入った桶を抱き、ホウ統は一礼をし、玄徳の部屋を出た。
一時の喜ばしい時間は湯が冷めるころにはもう消えている。ホウ統は揺らめく波紋を眺めながら、もう次に行うべくことを考えている。
「蜀をとる。なんとしてでも」
水面は彼の細く鋭い目を映しては消し、映しては消した。
その後、ホウ統士元の自らの死を顧みない策により、玄徳は蜀入りを果たす。
彼は玄徳がその人徳を穢さぬよう、全ての穢れを己が引き受ける。
落鳳坡にてその命が尽きるまで、彼は玄徳の優しい眼差しと柔らかい白い足に口づけすることを目に浮かべていた。
「そ、そんな、我が君。では、これで」
ほんのり温かい湯の入った桶を抱き、ホウ統は一礼をし、玄徳の部屋を出た。
一時の喜ばしい時間は湯が冷めるころにはもう消えている。ホウ統は揺らめく波紋を眺めながら、もう次に行うべくことを考えている。
「蜀をとる。なんとしてでも」
水面は彼の細く鋭い目を映しては消し、映しては消した。
その後、ホウ統士元の自らの死を顧みない策により、玄徳は蜀入りを果たす。
彼は玄徳がその人徳を穢さぬよう、全ての穢れを己が引き受ける。
落鳳坡にてその命が尽きるまで、彼は玄徳の優しい眼差しと柔らかい白い足に口づけすることを目に浮かべていた。