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ヒロイン三国ファンタジー
第13章 13 呉の後継者たち
名軍師、諸葛亮孔明とホウ統士元の活躍により玄徳は蜀入りし益州牧となり、荊州の一部を孫権に返還する。やがて漢中を平定していた曹操を撤退させ、玄徳は漢中王となった。
本拠地を建業に遷した孫権は頼りにしていた周瑜も魯粛も失い、途方に暮れているところ妹の孫尚香がやってきた。
「兄上、どうなさるのですか? ぼんやりなさっていては魏にも蜀にも滅ぼされてしまいますわよ」
「う、うむ。しかしまずは内政を整えなくては……」
「魯粛がいないのですから副都督の呂蒙を大都督にして、副都督を陸遜にすればよいでしょう」
「そうだな。お前は帰ってきてから呂蒙を教育していたようだな。おかげで魯粛が呉下の阿蒙にあらずと言っておったな」
「うふふっ、三日会わざれば刮目せよ、ですわ」
「ふむ。尚香の言う通りにしよう」
育ちが良くおっとりとした孫権は我慢強く賢明ではあるが、判断力と智謀には疎かった。周瑜と魯粛の亡き今、それらを陰から補うのは玄徳の元から帰ってきた孫尚香である。
尚香は玄徳への思いを捨てきれず、かと言って帰ることも叶わず、暇を持て余し、時間つぶしのように兄の孫権に助言し、そして呂蒙を教育している。
本拠地を建業に遷した孫権は頼りにしていた周瑜も魯粛も失い、途方に暮れているところ妹の孫尚香がやってきた。
「兄上、どうなさるのですか? ぼんやりなさっていては魏にも蜀にも滅ぼされてしまいますわよ」
「う、うむ。しかしまずは内政を整えなくては……」
「魯粛がいないのですから副都督の呂蒙を大都督にして、副都督を陸遜にすればよいでしょう」
「そうだな。お前は帰ってきてから呂蒙を教育していたようだな。おかげで魯粛が呉下の阿蒙にあらずと言っておったな」
「うふふっ、三日会わざれば刮目せよ、ですわ」
「ふむ。尚香の言う通りにしよう」
育ちが良くおっとりとした孫権は我慢強く賢明ではあるが、判断力と智謀には疎かった。周瑜と魯粛の亡き今、それらを陰から補うのは玄徳の元から帰ってきた孫尚香である。
尚香は玄徳への思いを捨てきれず、かと言って帰ることも叶わず、暇を持て余し、時間つぶしのように兄の孫権に助言し、そして呂蒙を教育している。