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人魚島
第8章 能力
赤丸を燻らせながら更に橘さんは続けた。

『まだ頭ん中フニャフニャやろ?充分吸収しよる筈や、やしお前は教師向きの性格や、優しいやろ?やから向いとる』

僕は辛口の日本酒を呷りながら『営業頑張ります』と笑い静かに泣いた。
止めど無く涙が溢れ出た。
解ってる、これは未来の一つの形なんだ。
泣きながら翌朝早朝に東京に帰り、また泣いた。
翌日から空しい日々が続き、たまに広瀬恵麻と身体をコッソリ重ねるセックスフレンドのだらし無い関係にドップリ甘え、僕は花子の事を無理矢理忘れ様と努力し足掻いた。
やがて広瀬さんは僕に本気になり、四六時中LINEして来た。
5歳年上だったが癪にはなら無かった。
次第に春樹、恵麻、と呼ぶ様になり、いよいよ結婚の話が持ち上がったのは僕が19歳最後の初春だった。
入社して一年目を迎え様としていた。
僕の営業成績はなんとか持ち越し日に1~2件確保出来る様になっていた。
営業靴はすぐさま磨り減り、すかさず恵麻が新しく買ってくれた。
Ferragamoのなんとか言う営業靴だ。
鞄もFerragamoの良いやつを贈られた。
そして6月30日、僕の20歳の誕生日に恵麻と僕は結婚した。
周りからは『早い』と言われたが僕は恵麻と過ごす事で人魚島や花子の事を忘れ様とした。
時折悪夢を見た。
死んだ筈の花子が迎えに来る夢だ。
良くうなされた。
次第に精神を煩い、僕は品川の精神科にコッソリ通う事にした。
エビリファイとデパケンとドグマチールと何やら睡眠薬にレンドルミンとベルソムラを処方された。
エビリファイが効いている間はまるでさながらあの人魚島に向かうフェリーに揺られている様な感覚だった。
恵麻は結婚してからもバリバリ働いた。
まだ25歳、働き盛りだ。
そして見事に女盛り、僕は夜な夜な恵麻のエッチな肉体を求め中出しした。
やがて次第に恵麻が孕んだ。
女の子らしい。
エコー診断書で判断された。
10ヶ月待ちに待ったが、難産で産まれた女の子には…見るも無惨に生まれ付き顔面が無かった。
花子だ。
花子を連想させた。
僕は生まれた子供に花子と名付けて恵麻と離婚し、会社を辞めた。
そして風呂場で花子を殺め人魚島に埋めに行く。
途中フェリーにて海上警察が船を横付けし拡張機で『無駄な抵抗はやめなさい』と僕を諭す。
目の前には美しい人魚島。
僕は涙を流しながら海に飛び込んだ。
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