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人魚島
第8章 能力
『更に話せば長くなるけど、鎌倉時代の『古今著聞集』なんかでは日本の人魚はヒト状の顔を持つ魚とされていたけど江戸時代後期にはヨーロッパ同様、ヒトの上半身と魚の下半身を持つ姿と伝えられるようになるんや。日本各地に伝わる人魚伝説は恐ろしい物語とされることが多い。江戸時代の越中国今の富山県では角を持った全長11メートルの人魚を人々が500丁もの銃で撃退としたと言われてるよ。若狭国つまりは今の福井県南部でも漁師が岩の上に寝ていた人魚を殺した後、その村では海鳴りや大地震が頻発し、人魚の祟りと恐れられたと言う。こんな風に人魚が恐れられたのは、中国の『山海経』に登場する、赤子の様な声と脚を持つ人魚の影響を受けたためと言われてるよ』

ウオトが弁当箱わ持ち上げ掻き込み咀嚼してから、また不意に咳払いし麦茶を飲んだ。

『まだまだ続くよ?一方では吉兆との説もあり、寿命長久や火難避けとしても崇められたこともある。高野山の麓の西光寺和歌山県橋本市には全長約50㎝の人魚のミイラがあり、不老長寿や無病息災を願う人々の信仰の対象となっていたといわれ、現在でも橋本市の有形民俗文化財に指定されてるよ。博多津に人魚が出現した際に国家長久の瑞兆と占われ、人魚を龍宮寺福岡県福岡市博多区に埋葬されたとも言われてるね、後は八百比丘尼伝説かなぁ?続けて良い?』

ニヤリと笑うウオトに僕と花子は黙って頷いた。

『八百比丘尼は、人魚など特別な物を食べた事で長寿になった比丘尼の事で、日本のほとんど全国に分布している伝説の人物。白比丘尼とも呼ばれるてる、まぁ、地方によって残された伝説は微妙に違うけど、簡単に話せばこんな話だ。ある男が居たんだよ、知ら無い見知らぬ旅の男等に誘われて立派な造りの民間に招待され供応を受けるんや、その日は庚申講などの講の夜が多く、場所は竜宮や島などの異界であることが多い。そこで男は偶然、人魚の肉が料理されているのを見てしまう。その後、ご馳走として人魚の肉が出されるが、男は気味悪がって食べず、土産として持ち帰るんだよ、男はきっと怖かったんだんな、うん』

そこでウオトは弁当箱を脇に置いて『はぁ、まぁ、食ったな』と砂浜に寝そべった。
潮風が吹く中、潮騒が優しく響いている。
ウオトは『やぁ、ハハハ…続き気になるよね?』と笑う。
僕と花子は無言で頷いた。
『じゃあ聞かせてやるよ』と深呼吸するウオト。
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