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人魚島
第9章 枝分かれの現実
西暦2032年7月の28日だった。
タイムリープした日付と変わら無い。
しかし15年も経過しているッ!
卓袱台には灰皿とケントが並んでいた。
どうやら僕は立派な喫煙者らしい。
飲み明かした缶ビールが転がる中、僕は熱いシャワーを浴びた。
30歳、多少腹が出ていた。
引き締まってはいたが、腹に贅肉がうっすら乗っている。
髭を剃り、身支度し、何故15年もの歳月が経過したのか記録らしいキャンパスノートを見付けた。
2017年7月28日からそれは始まり20冊以上あった。
まず最初のページ。

"畜生ッ!また花子が死んだッ!"

"結婚したが花子がやはり死んだ…"

"花子が自殺した"

花子の死ばかりが連なっていた。
僕の脚は震えた。
震えながら15年もタイムリープを繰り返していたのだとキャンパスノートから理解した。
6畳一間、換気扇がゴーゴー鳴る中、僕はキャンパスノートを読み漁り最後に"7月27日明日は久しぶりにまたタイムリープしてようと思う"と書かれ新幹線ひかりのチケットが挟まってあった。
僕は慌ててそれを財布に捩じ込みスマートホン片手に駆け出した。
僕はどうやら赤羽に独り暮らしの様だった。
山手線に乗り換えて東京駅からの新幹線ひかりに乗り込み、窓に視線を這わす。

~発車しまぁす~

聞き慣れたアナウンスの後、ゆっくり走り出すひかりに揺られながら僕は再度キャンパスノートを読み漁り、そしてケントを喫煙所で吸ってみた。
身体に馴染んだ。
外見は30歳だが中身は15歳だ。
なんだか違和感がある。
気分が悪い。
そして3時間ばかりして新大阪に着きそのまま広島駅迄乗り継ぐ。
ケントが空になり移動販売の添乗員から二箱買った。
ライターは錆びたスナックマーメイドの物だった。
市内から呉市に移動し、フェリーに揺られる事1時間半、見えてきた人魚島。
6~7時間の長旅の疲れはあったが、欠伸は出無い。
僕は意を決して上陸する。
渡島する人は誰も僕以外居無かった。
カモメとウミネコが鳴く中、僕はゆっくりパーラーに入る。
中に中高生位の子供達がたむろしていてビクッとなった。
また不意に花子や咲子の幻覚を見た気がした。
昼食を取り28歳の花子を探す事にした。
しかし、ある違和感に見回れる。
交番の克己さんが本来なら40代なのに28歳のままなのだ。
適当に会釈してしまう情け無い僕。
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