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人魚島
第9章 枝分かれの現実
たむろしていた子供達や大人達も『ホテル行くか』と離れて行く中婆さんが背後で『花子程度にホテルは馬鹿馬鹿しいやろ?2~3時間やるけん、しっかり施してやってや』と離れて行く。
僕は婆さんが離れた事を確認し花子に対して『来たよ?春樹だよ?』と花子の両手を取った。

『春樹ぃ?知らんがな』

『だよね、けどオジサンはね15年も前から君の事を知ってるんだよ?会いたかったよ、花子』

『なんや、蓮みたくポン中かよ?』

僕は涙を溢しながら『愛してるよ』と花子を優しく抱き締めた。
花子は一瞬ビクッとしたが、大人しく僕に身を任せている。

『花子、愛してるよ』

『やかましいな、さっさとヤルけんね』

花子が白いシャツを脱ぎ出したので、僕は慌てて制した。

『花子はセックスしたいの?』

『やんなきゃあんめぇよ』

『そっか、なら、まず脱ぐのは止めてオジサンと寝ながら少しだけお話しようか』

『面倒くせぇジジィやな』

悪態を付く花子。
ゆっくり花子の華奢な身体を抱き締めながら濡れた岩場に横たわる僕。
なんだか涙が溢れた。

『おいで、寒く無い?』

ビクッとしながら『寒く無いけん』と無表情の花子の頭をゆっくり優しく撫でれば『篠山のおっちゃん、気持ち良いわぁ』とようやく笑みを見せる。

『ああ、その顔が見たかったんだ』

僕はゆっくり魚臭い花子の唇に口付けた。
鰯特有の生臭い悪臭がする。
しかし、構わ無い。
僕は久しぶりに花子にキスをした。

『あ…気持ち良いけん、もっかいして?』

花子が可愛らしくねだる。
僕は愛しさに身を任せ花子にキスを繰り返す。
どうして僕等はすれ違う運命なんだろう?
何度未来や過去に行けば良いのだろう?
何度時空間を旅したら良いのだろう?
キスを繰り返しながらダラダラ涙を溢した。

『おっちゃん、シャブ止めや』

『ハハハ…』

笑う花子は最高に可愛い。
僕はゆっくり花子のシャツを脱がしてやる。
見れば痣だらけ擦り傷まみれの青白い肢体が露になった。
恐らく顔の事で誰かにキツく当たられているのだろう。
あえて追及はし無かった。

『おっちゃん、いくつ?』

『ハハハ…30歳だよ』

『老けてんな、苦労しとん?』

ゆっくり花子の腹部に耳を乗せながら『旅行ばかりしてる、ああ、出張が多い仕事なんだよ』と笑う。
そしてゆっくり花子のブラジャーに手を掛けた。
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