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人魚島
第9章 枝分かれの現実
『何故あたしだけ15歳なんやろか?』

花子が小首を傾げたその時だ『ああ、坊主目覚めたか?』と明さんがやって来た。

『明さん?』

『父ちゃんが家迄運んでくれてん、ハルくん魚鳴き岬で倒れたから』

花子の解りやすい説明に納得する僕の頭をワシャワシャ撫でながら『坊主、軽いな、もっと食えよ?』と笑う明さん。
相変わらず豪快な海の男だ。

『で、飯はどないするんや?』

『ねぇ、父ちゃん、ウオトんとこで懐石食べたいなぁ』

そうだ、確かにウオトのアルバイト先民宿春魚は一応は旅館なのだ、晩になれば懐石料理の一つや二つ位出てもおかしく無いだろう。
懐石料理か、食べてみたいな。

『せやな、魚人も久しぶりやけん、貢献したるか』

キャメルを燻らせながら明さんが『風呂掃除しとけ、一番風呂はこの坊主に入らせたれや』と笑いながら花子の寝室から出て行く。

『あたし、ちょっと掃除して来るけん』

花子がフンワリ微笑みながら洋室から出て行く。
僕は光る姫蛍を目で追いながらやがて微睡んで行った。
目覚めると花子が『起きて』と花子がニコニコしている。
すかさず手を握り締め手を繋ぎながら居間に出て身支度する。
夕方5時半、明さんと咲子と誠さんと春香さんと花子と6人で民宿春魚に向かう。
明さんがランドクルーザーを出してくれた。
ランドクルーザーは改造されていて馬鹿でかい。
インチアップされておりホイールは24インチだ。
明さんみたいにでかい。
明さんは『飲酒運転はせんけん』と笑いながらキャメルを燻らせる。
『魚人とはいつか呑んでみたい』とハンドルを切る。
次第に見えて来た民宿春魚。
提灯が輝き猿ボボが反射しとキラキラしている。
暗闇では無かったが暗くなりつつある空は見事な鱗雲だ。
中に入れば『いらっしゃい』とウオトが笑う。
早速席に通されるおしぼりを広げる。
熱々のおしぼりで顔を拭う明さん。
そして開口一番『誠、お前帰り運転しろ、おい、魚人、休め、呑むぞ』と卓袱台を叩いた。
『はいはい、生ビールです』とフンワリ微笑みながらウオトが生ビールのジョッキ両手にやって来た。
そして卓袱台に生ビールを並べながら『何食べますか?』とメニュー一覧表を手渡す。
『じゃあ松コース6人前頼むわ』キャメルを燻らせながらメニュー一覧表をウオトに突き返す明さん。
懐石料理で松コースなんて生まれて初めてだ。
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