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人魚島
第9章 枝分かれの現実
ああ、おかめさんか。

『アマノウズメノミコトがシンイチの恋人なの?』

『ちゃう』

僕の素朴な問い掛けに瓶ビールをらっぱ呑みしながらシンイチが唸った。

『サクヤに婚姻迫られとるけん、咄嗟に作ったセックスフレンドや』

『サクヤ、コノハナサクヤヒメだよ。富士山麓に奉ってある女神や、なかなか可愛らしい子やで』

ウオトが小首を傾げる僕に説明してくれる。

『サクヤとはどうやら上手く行って無いみたいやな?』

ウオトが鼻で笑いながら挑発的にチラッとシンイチを見据える。
ウオトにしてみれば本当に珍しい表情だ。
普段のフンワリした穏やかさは皆無で逸脱した表情だ。

『ああ、100年前から喧嘩しっぱなしだ、なんだって女神は結婚結婚やかましいんだ?イナダヒメだってそれでご破算、スサノウの所に行っちまったしよ』

スサノウ?
あの有名なヤマタノオロチを退治したスサノウノミコトかな?

『ウケモチはこの手で殺めちまったしな、ありゃ傑作だったな』

『え?』

『久しぶりに会いに行ったらよ、珍しく持て成すっつーから、待ってりゃ、いきなり口内から吐瀉物嘔吐しやがって、それを食えっつーからよ、刀で切り殺してやったわ』

『有名な神話の一つだよ?シンイチは月読神、イザナギ神様とイザナミ神様の息子で、日本を作った天照の弟だよ』

月読神ッ?
あの海の神の月読神ッ?

『専ら水の女神のワカウカノメとは長かったな、あいつはバックが好きなんだ、あんあんイクイク言うて昇天してまう。フェラチオもなかなか上手かったが、なんでかね?ご破算、上手く行かねぇ』

シンイチは青い髪の毛を撫で上げながらブラックデビルを燻らせながら瓶ビールをらっぱ呑みする。

『とにかく、俺の所来いよ』

『え?嫌です』

『俺だってよ、退屈してんだわ』

『行きませんから』

『固い事言うなよ?』

シンイチがニヤニヤする。
そして不気味に舌先を下唇にペロリと這わせた。

『行きませんから』

僕はピシャリと突っぱねた。

『なんだよ…チッ』

舌打ちしながら『帰るわ』と立ち上がるシンイチ。
ようやく解放されるらしい。

『送ろうか?』

『うるせぇ、魚姫寄ってくからよ、んな真似すんな、汚らわしい』

シンイチは悪態を付きながら座敷から出て行った。

『僕等も明さんの所に戻ろうか』

『うん』

立ち上がる僕と花子。
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