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人魚島
第10章 東京編
『顔色悪いぜ?噂の彼女と喧嘩でもしたか?なぁ?仲違いでもしたか?』

『いや』

『なんか元気ねぇなぁ、仕方無ねぇや、俺がここは奢ってやっから、そのみっともねぇ顔色どうにかしろよな?』

若い頃の妻夫木聡の様な甘いマスクで笑う葉山。
僕の様に覚醒剤やマリファナに手を染めてい無い彼は健康その物だ。
決して太ってはい無いが、柔道部らしいガッチリした肉体に血色の良いピンク色の肌が健康男子を物語っている。

『なぁ、葉山』

『なんだよ?』

『もしもだぜ?もしも、過去や未来に行ける力がありゃどうする?』

『あん?ドラえもんかよ?』

笑いながら生ビールをグイッと呷る葉山。

『例えば愛する彼女を助ける為に過去や未来に行けるとしたら、お前どれ位足掻く?』

葉山は少しだけ考えてからラークに火を付けた。

『そうだな、その愛する彼女が助かる迄足掻くかな?』

『例えば僕がその力があるとしたらどうしたら良い?』

『まず、薬物止めろ?そのミケとか言う胡散臭ぇ怪しい女とも縁を切れよな?』

『解ってるよ、一番悪いのは僕だ。この僕だ』

使い捨て割り箸を置き、ケントに火を付ける僕に葉山は続けた。

『過去や未来に行けたら過去に遡って、悲劇が起き無い様にするな』

過去に遡って悲劇が起き無い様にする?
考え付かなかったぞ。
そうか、そうだ、過去に遡って花子に掛けられた呪いを解けば良いのかも知れ無い。
しかし、花子はどのタイミングで呪いを受けたのだろう?
ウオトは平安生まれだ。
平安時代から?
あるいは江戸時代からか?
とにかく多大なタイムリープをまたやらかさなきゃなら無いらしい。
魚沼一族にいつ呪いが掛けられたのか調べ無ければ。

『ありがと、参考になるよ』

『お前ちょっと痩せ過ぎだな、ちゃんと食って寝てるのかよ?』

『大丈夫、家事が得意な彼女と暮らしてるから食ってるよ』

この時空間で花子が家事好きかはまだ解ら無いが、花子の事だ、きっと家事が好きに違い無い。

『さっきの話だが…』

葉山がスープをレンゲで啜りながら続けた。

『お前そう言う特殊な力がある訳?』

『うん』

迷わず頷く僕。
別にジャンキーだと思われても仕方無い、しかし、事実なのだから。

『なら未来に行って俺が明治大学受かるか見て来てくれよ、なぁ、頼むよ』

半分笑いながら葉山合掌して来た。
思わず笑う僕。
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