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人魚島
第10章 東京編
『人間の従業員は居無いんですか?』

『男神ってのは酒豪が多いし、セックスも上手いけんな』

『今夜からヤルんですか?』

『今夜はクリスマスだぜ?寂しい金持った女どもがムラムラしながらヨダレ垂らして来店するし、今夜は顔見せの為に優良な客の席に付けてやるからな、指名もガンガン来るさ』

『………』

『なんだよ?処女や無いけん、ヤルぞ?ましてやホテル代金は女持ちや、つまり無料でハメれるんやぞ?』

頭では理解していたが、まさかホストがこんなに過酷だとは思ってもい無かった。

『解りました』

『まずは名刺作れ、後軽くカクテルの作り方教えるけんな』

僕は言われるがまま名刺にひたすら"春"と書き続けた。
ざっと50枚は書いたと思う。
そして厨房で簡単なジンメインのカクテルの作り方を教わった。
ピアノの音色が鳴る中、夕方6時開店する。
待機席で無意味にスマートホンを弄っていると『俺はタケイワタツ、雨の神だよ』とタツさんと言う若い細身のホストに握手された『僕はオオヤマヅミ、海の神だ』とヤマさんが続いて握手して来る。
どうやら本当に従業員は皆男神らしい。
『僕は春です』頭を下げれば『ああ、魚人の天使か』と笑われる。

『有名人だよ、君は』

『え?』

『あの間抜けな魚人の天使に成り下がったんだろ?』

『なんで龍さんじゃ無くて魚人にしたのかな?』

『魚人なんか底辺の神だよ?』

『ねぇ、なんでよりによって魚人なの?』

口々に25人程の男神に言われた。
僕は思わず縮こまる。

『やぁ、出番だぞ?人間や無い、女神や、イシコリドメ、石五里って名前でソープ嬢やっとる、金はまぁ持ってるけん、ゴッソリ抜いたれ』

不意にシンイチがやって来て耳打ちする。
階段を降りながらちょっとつんけんしたイシコリドメがやって来てCHANELの鞄を半ば強引にボーイに手渡し、奥の席にドサッと座る。
全盛期の浜崎あゆみみたいなルックスで、ショートカットを金髪にしている。
髪の毛を掻き上げながら『ジンカボス頂戴』と唇を尖らせスマートホンを長い爪で弄り出した。

『行って来い、なんならデートして来ても良いんだぞ?』

イシコリドメとシンイチを交互に見詰めながら僕は意を決して『い、石五里様、失礼します。今日から入店しました春です』と教えられた通り片膝を付いてしゃがみこみながら名刺をサッと差し出した。
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