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人魚島
第10章 東京編
花子は少し考えてから『解ん無いよ』と抱き付いて来る。
もしもだ、もしも花子が『幸せ』と答えたなら、この時空間でも構わ無いかなと考えてしまった。
慌てて頭を振り、薄暗い早朝花子を抱いた。
そして疲れと飲酒から眠って行った。
昼過ぎ目覚めれば花子が奥歯でガリガリ安定剤を食べていた。
水無しで飲めるエビリファイだ。

『おはよう、花子』

『おはよう、ハルくん』

フンワリ微笑む花子を抱き締める。
花子からはパンテーンの豊かな香りがしていた。
新幹線情報を見ようとスマートホンを眺めればイシコリドメから"おはよう、今日も頑張って"と短文のLINEが入っていた。
新幹線情報によれば相変わらず土砂災害は続き行方不明者も30人ばかり居るんだとか。
苦しんでいるのは僕だけじゃ無いのだと痛感し、理解した。
テレビをじゃがりこ片手に眺める花子にジンカボスを作ってやれば『ありがと、ハルくんッ』と笑顔を向ける。
『熱く無い?』と訊ねれば『相変わらず熱いよ』と真冬なのに半袖のTシャツ姿の有り様。
薬が効いてい無い様だ。

『昼何か作るよ、風邪だから、お粥にしよう』

『魚、魚のお粥さんが良いなぁ』

『じゃあ鮭粥にしようか』

『うんッ』

鮭の切り身を近くのスーパーで購入し、炊飯器にセットし一緒に炊いた。
そしてフゥフゥしながら花子の桜色の唇に近付ける。
パクッと食べて咀嚼する花子。
僕はその隣でジンカボスを呑みながらケントを燻らせる。
不意に目が合う。
その大きな目に捕らわれたら最後だ。
思わず抱き締める。
花子が『ジンカボス頂戴』と笑う。
僕は何故だか泣けてしまい、むせび泣いた。
背中を撫でられ僕は益々泣いた。
しばらく抱き合い花子が『どうしたん?』と僕の顔を覗き込んだ。

『幸せだなぁって思ってさ』

『あたしも幸せだよ』

思わずハッとした。
花子は今幸せなのだ。
ならば…。

『このままが良い?』

コノママガイイ?
ウオトが言っていた台詞だ。

『ううん、もっと幸せになりたい、贅沢かなぁ』

小首を傾げる花子。
僕は再びハッとした。
贅沢な訳無いだろうッ!

『花子は可愛いなぁ』

力強く花子を抱き締めた。
昼を食べて少し昼寝し、ドラゴンゴッドに向かう。
花子は今夜も売春だ。
スーツを着込み、ギャツビーの整髪剤で頭を固める。
早速イシコリドメが来て奥の席を陣取っていた。
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