この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人魚島
第10章 東京編
朝になり相変わら足早に早々に帰宅する。
年末年始、行き交う人々は忘年会やらで朝にも関わらず未だに『4軒目行くかぁッ!』と騒いでいる。
新宿は眠ら無い街である。
そう痛感しながら風呂に入って眠る花子の隣に横になる。
花子は相変わらず風邪なのか身体が火照って熱い。
年明けまで後4日だ。
12月27日早朝、僕は眠りに付いた。
昼過ぎ目覚めると花子が狭い台所で讃岐うどんを作っていた。
風邪なので消化が悪いのだろう。
この寒さだ、風邪の一つや二つ引いてもおかしくは無い。

『おはよう、花子』

『あ、起きた?今讃岐うどん茹でてるよ?片栗粉入れて餡スープにするから少し待ってて?』

僕はノソノソ起き出しケントを吸う。

『風邪、大丈夫?』

『うーん、まだ熱っぽいよ』

僕は花子を後ろから抱き締め小さな花子の頭に顎を乗せる。
朝風呂に入ったのか、その髪は僅かに濡れていた。
パンテーンの香りがしていた。
良い香りだ。
花子が餡スープの讃岐うどんを丼によそいながら『熱いよ?気を付けてね』と笑う。
僕はそれを受け取りフゥフゥしながら讃岐うどんを啜った。
美味かった。
やはり、この時空間でもどうやら花子は料理が得意らしい。
スマートホンで新幹線情報を確認する。
イシコリドメから"気持ち良かったよ"と相変わらず短文のLINEが入っていた。
"今起きました。今夜も待ってます。仕事頑張って下さい"とだけ返信しておいた。
すかさず"今日同伴してから行く?"と返信が。
同伴とはシンイチから聞いたが、店に入る前にデートしてから一緒に入店する事らしい。
シンイチの店、ドラゴンゴッドでは同伴の場合のみ9時迄に店に入れば遅刻にはなら無いシステムだ。
"構いませんよ、何処行きますか?"僕の返信に"銀座にあるステーキ屋さん、美味しいから連れてってあげる、6時に銀座駅来てよ"とすぐさま返って来た。
僕は浮かれた。
銀座だなんて大人っぽい街久しぶりだったからだ。
しかも隣には美しい女神イシコリドメだ。
僕は讃岐うどんもそこそこに『今日はステーキ食べて来るね、銀座だから、何かお土産いる?』と洗い物し始める花子を後ろから抱き締めながら訊ねた。

『花束かな?』

『うん?』

『白い薔薇の花束、欲しいな。もしも願いが叶うなら、吐息を白い薔薇に変えて、だよ?』

花子が良く意味の解ら無い事を言い出した。
/488ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ