この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人魚島
第10章 東京編
『会えない日には部屋中に飾りましょう。あなたを想いながらだよ?』

『なんだよ、それ』

花子が益々意味の解ら無い事を洩らす。
『小林明子の恋に落ちてだよ?』とフンワリ微笑みながら洗い物を手早く片付けてベランダの洗濯物を取り込む花子。
僕は洗濯物を畳む花子の隣で土砂崩れの被害を報道するニュース番組を眺めながらケントを燻らせた。
どうやらまだまだ土砂崩れの被害は拡大中で広島県に帰省する事が叶わないのだと痛烈に痛感した。
唯一の頼み綱フェリーも目処が立ってい無いらしい。
僕はケントを燻らせながら無意識に貧乏揺すりしてしまう。
そして5時銀座線に乗り換えてFerragamoのスーツで銀座に赴く。
勿論頭も整髪剤ギャツビーでオールバックだ。
香水にBVLGARIのプールオムを使った。
少しだけ大人になれた気がした。
銀座は相変わらず年末年始からか早々に酔っ払いが行き交っていた。
僕は駅前大通の花屋で白い薔薇の花束とイシコリドメの為に胡蝶蘭の花束を所望した。
店員がすぐにパチンパチンと鋏で枝を綺麗にカットし、形を整えてくれた。
『メッセージカード使いますか?』と訊ねられ、僕は1枚に花子に対して『いつも、ありがとう、早く風邪治ると良いね』と書き込みイシコリドメ用に『いつも、待ってます』と書き込んだ。
イシコリドメなら喜んでくれる筈だ。
6時迄適当にスターバックスで紅茶を飲みながらケントを燻らせた。
白い薔薇と胡蝶蘭の香りが豊かに香る中、時刻は6時、イシコリドメがやって来た。

『やあ、石五里さん』

駆け寄る僕。

『わ、凄い花束だね?高くなかった?』

『石五里さんの為に奮発しました』

胡蝶蘭を手渡せばイシコリドメはフンワリニッコリ微笑んでくれた。

『ありがとう春、嬉しいよ、花なんか久しぶりに見たよ、綺麗なもんだねぇ、しかし何故に胡蝶蘭と薔薇なの?』

『薔薇の方は同棲してる彼女に、です。胡蝶蘭は石五里さんの妖艶なイメージからです』

『あたしが胡蝶蘭?へぇ、ウケるぅ』

笑うイシコリドメ、今日は化粧が一段と濃い気がした。

『行こうか』

『はい』

腕を組みながら銀座のステーキ屋に入る。
タワービルの20階にあり、東京タワーが一望出来る。
イシコリドメは予約していたのか、奥の座敷席に座り『あぁん、今日も疲れたなぁ』と脚を投げ出す。
その脚をマッサージする僕。
/488ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ