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人魚島
第10章 東京編
花子は早速早々に花瓶に薔薇の花束を生けてご満悦だ。
僕は近くの寿司屋で買って来た握り寿司を花子に振る舞う。
花子は魚、特別生魚が好きだ。
風邪なので多少消化に悪いかも知れ無いが、たまには美味しい物を食べさせたいのが本音だ。
12月28日雪、年明け迄残り3日である。
『今日位仕事休めよ』と花子を抱き寄せて耳元で『今日は1日中部屋でヌクヌクしてよう』と囁いた。
花子は『借金返済あるけん、今夜も行くよ』と力無く笑う。
『借金?』
『ハルくんコンビニで働かんくなってすぐに『パチスロのプロになるッ』とか言って毎日パチンコ屋さんに入り浸りやったやん?』
僕がパチスロのプロッ?
『そん時の借金500万あるけん、ちょっとづつ返済して行かなアカンけん』
『馬鹿な、僕に借金ッ?』
『せやで、元々600万あったんやで?覚えてへんの?』
まさか僕が借金する程馬鹿でクズだなんてショックだ。
花子はやれやれと続けた。
『ハルくんスロットにハマってあたしの日銭10万円つこてよく歌舞伎町のパチンコ屋さん行ってたやん?』
『嘘だ』
『負けっぱなしやったやんか』
花子は僕の頭を撫でながら続けた。
『毎日借金取りが来て二人してガタガタ震えながら居留守つこたやん?それすら覚えてへんの?』
花子は笑いながらヴィヴィアンウエストウッドのワンピースに着替え『もう二度とやったらアカンで?』と笑いながら支度していく。
僕はワナワナ震える手でケントを吸い、そして激しく貧乏揺すりした。
『月末借金返済に振り込まなアカンけん、気張って来るわ』
『僕も出掛けるよ』
『ほな、駅前大通迄送ってや、今日は渋谷で稼ぐけんさ』
僕はヴィヴィアンウエストウッドのライダースジャケットを羽織り花子を連れて駅前大通迄やって来た。
そして強く一度だけ花子の身体を抱き締め『気を付けてね』と口付けする。
花子は無邪気に『行ってきます』と駅構内に入って行く。
それを見届けてから僕は無意識にパチンコ屋に向かい、9万溶かした。
9万負けて3千円勝った。
馬鹿だ。
台は賭博黙示録カイジだったが、カイジの様にはなれ無かった。
なんとなく独りは嫌でミケさんに連絡し、池袋で落ち合う事にした。
ミケさんは相変わらず全身ヴィヴィアンウエストウッドで固めている。
『よう』
ミケさんが片手を上げながら僕に近付いて来る。
僕は近くの寿司屋で買って来た握り寿司を花子に振る舞う。
花子は魚、特別生魚が好きだ。
風邪なので多少消化に悪いかも知れ無いが、たまには美味しい物を食べさせたいのが本音だ。
12月28日雪、年明け迄残り3日である。
『今日位仕事休めよ』と花子を抱き寄せて耳元で『今日は1日中部屋でヌクヌクしてよう』と囁いた。
花子は『借金返済あるけん、今夜も行くよ』と力無く笑う。
『借金?』
『ハルくんコンビニで働かんくなってすぐに『パチスロのプロになるッ』とか言って毎日パチンコ屋さんに入り浸りやったやん?』
僕がパチスロのプロッ?
『そん時の借金500万あるけん、ちょっとづつ返済して行かなアカンけん』
『馬鹿な、僕に借金ッ?』
『せやで、元々600万あったんやで?覚えてへんの?』
まさか僕が借金する程馬鹿でクズだなんてショックだ。
花子はやれやれと続けた。
『ハルくんスロットにハマってあたしの日銭10万円つこてよく歌舞伎町のパチンコ屋さん行ってたやん?』
『嘘だ』
『負けっぱなしやったやんか』
花子は僕の頭を撫でながら続けた。
『毎日借金取りが来て二人してガタガタ震えながら居留守つこたやん?それすら覚えてへんの?』
花子は笑いながらヴィヴィアンウエストウッドのワンピースに着替え『もう二度とやったらアカンで?』と笑いながら支度していく。
僕はワナワナ震える手でケントを吸い、そして激しく貧乏揺すりした。
『月末借金返済に振り込まなアカンけん、気張って来るわ』
『僕も出掛けるよ』
『ほな、駅前大通迄送ってや、今日は渋谷で稼ぐけんさ』
僕はヴィヴィアンウエストウッドのライダースジャケットを羽織り花子を連れて駅前大通迄やって来た。
そして強く一度だけ花子の身体を抱き締め『気を付けてね』と口付けする。
花子は無邪気に『行ってきます』と駅構内に入って行く。
それを見届けてから僕は無意識にパチンコ屋に向かい、9万溶かした。
9万負けて3千円勝った。
馬鹿だ。
台は賭博黙示録カイジだったが、カイジの様にはなれ無かった。
なんとなく独りは嫌でミケさんに連絡し、池袋で落ち合う事にした。
ミケさんは相変わらず全身ヴィヴィアンウエストウッドで固めている。
『よう』
ミケさんが片手を上げながら僕に近付いて来る。