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人魚島
第10章 東京編
『インフルエンザだってさ、良かったね』

『うん、ハルくんに感染せんか不安だよ』

『僕は予防接種受けてるから大丈夫だよ、喉見せて?わ、腫れてる、痛そうだな、帰ってうがいしてもう寝よう』

花子はインフルエンザだったのだ。
しかし、病名が解って一安心だ。
疲れ切った花子にマッサージしてやりながら僕もやがて微睡んで行った。
夜中にガタガタッと音がして何事かと目覚めれば花子がユニットバスのトイレの便座を鷲掴みにしながら何やら嘔吐していた。
慌てて駆け付けて『花子?大丈夫か?しっかりしてよ?』と背中を撫でてやる。
花子はウプウプ言いながらトイレを流し『気持ち悪い…眠れ無いよ』と睡眠薬の頓服薬を飲む。
僕はハッとした。

『まさか、花子…妊娠してるんじゃ?』

『え?』

『明日検査薬買って調べてみようよ』

『うんッ』

俄然なんだかワクワクドキドキ、不安もあったがワクワクドキドキの方が勝った。

『なぁ、花子』

『何?』

少し不安げに僕を見上げる花子。

『子供出来てたら、すぐに結婚しようか』

『え?』

『客の子供でも構わ無いよ花子の子供には何ら変わら無いんだからさ』

『ハルくん、正気?』

『アハハ…ちょっとは酔ってる、けど今回は生もうよ?幸せになろうよ?花子は幸せになって構わ無いんだよ?』

『ハルくん…』

花子が途端抱き付いて来る。

『それから妊娠してようが、してまいがもう売春婦は辞めるんだ、良いね?』

『け、けど』

『花子のやりたい仕事やりなよ?ヴィヴィアンウエストウッドのアパレル店員だとかさ?』

『うんッ!』

『借金や家賃や生活費も僕が全部負担するから、花子は子供の為だけを考えるんだ、良いね?』

『うんッ!』

抱き合いながら眠り、翌朝ウエルシアで妊娠検査キットを購入しアパートのトイレの前でやきもきする僕。
妊娠検査薬片手に花子がユニットバスから出て来て目をキラキラさせ、開口一番『赤ちゃん出来たよッ!』とピョンピョン跳び跳ねる。

『おいおい大事な身体なんだから、あんまりはしゃいじゃ駄目だからね?』

『だって嬉しいんやもんッ!女の子かなぁッ?男の子かなぁッ?』

『アハハ…とりあえずまた5日後にJCHO東京新宿メディカルセンター行くんだから、その時にまた改めて産婦人科で診て貰おうか』

僕は花子を宥めケントとブラックデビルを捨てた。
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