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人魚島
第10章 東京編
『大丈夫だよ、来春渡島しよう、挨拶に行こ』
『うん、そろそろ11時やな、昼食何にする?』
『祝いだよ、花子の妊娠祝いだから回転寿司屋じゃ無くて握ってくれる板前の居る寿司屋行こうか、勿論奢るよ』
『エヘヘ良いのかな?』
『構わ無いよ、歌舞伎町内にあるから近いし歩いて行こうか』
『うんッ』
こうして僕等は新宿公園から手をしっかり握り合いながら新宿歌舞伎町の寿司屋さん梅魚で昼食を取った。
花子は赤ちゃんの分もしっかり食べるのーと10皿と小振りな丼で讃岐海老うどんと茶碗蒸しを食べていた。
インフルエンザB型様に出された処方箋を飲ましたが、一向に良くなる気配無い。
しかも花子は『赤ちゃんに悪影響やけん、処方箋も安定剤も睡眠薬も今日からいらん』と息巻く有り様。
母親らしくなって来たなぁとつくづく思った。
寿司をあらかたつつきアパートに帰る。
花子は相変わらず汗が酷かった。
熱も、一向にあまり下がらない…インフルエンザ恐るべし。
ハァハァと荒い息をしながら万年床に倒れ込む。
『い、一体あたしの身体の中どないなってるんや?』と唸る花子に『今抗体がインフルエンザウイルスと戦ってるんだよ、吐き気はある?』つわりの事だ。
『大丈夫けん、少し寝るわ、ハルくん抱っこして寝よう?』花子を抱き締めながら夕方迄疲労感からか深い眠りに付いた。
花子が子供を抱く夢を見た気がする。
可愛い女の子だった。
花子に良く似た可愛い女の子の子供だった。
僕は幸せだった。
うん、この時空間も悪く無い。
そして目覚めれば花子が物凄い寝汗でハァハァしていた。
また嘔吐したのか万年床には消化不良の寿司が転がり汚れていた。
『花子ッ!』思わず抱き起こす。
花子はハァハァと荒い呼吸だ。
インフルエンザ…インフルエンザの薬ッ!
畜生ッ!何処にしまったんだッ!
『花子、インフルエンザの処方箋は?』抱き起こし揺さぶる。
『か、鞄…ヴィヴィアンウエストウッドのバックの中…』畜生ッ!僕は慌てて花子のヴィヴィアンウエストウッドの鞄を逆さまに振った。
マスカラや化粧コンパクトが散乱する中、処方箋の紙袋が落下した。
リレンザ、カロナール、ナウゼリンを水で無理矢理服用させ様としたが花子はハァハァとしながら『あ、赤ちゃんに悪影響あるけん、いらん』とゲホゲホ咳き込んでいる。
馬鹿…しかし、早く自然に治癒すれば良いのだけれどなぁ。
『うん、そろそろ11時やな、昼食何にする?』
『祝いだよ、花子の妊娠祝いだから回転寿司屋じゃ無くて握ってくれる板前の居る寿司屋行こうか、勿論奢るよ』
『エヘヘ良いのかな?』
『構わ無いよ、歌舞伎町内にあるから近いし歩いて行こうか』
『うんッ』
こうして僕等は新宿公園から手をしっかり握り合いながら新宿歌舞伎町の寿司屋さん梅魚で昼食を取った。
花子は赤ちゃんの分もしっかり食べるのーと10皿と小振りな丼で讃岐海老うどんと茶碗蒸しを食べていた。
インフルエンザB型様に出された処方箋を飲ましたが、一向に良くなる気配無い。
しかも花子は『赤ちゃんに悪影響やけん、処方箋も安定剤も睡眠薬も今日からいらん』と息巻く有り様。
母親らしくなって来たなぁとつくづく思った。
寿司をあらかたつつきアパートに帰る。
花子は相変わらず汗が酷かった。
熱も、一向にあまり下がらない…インフルエンザ恐るべし。
ハァハァと荒い息をしながら万年床に倒れ込む。
『い、一体あたしの身体の中どないなってるんや?』と唸る花子に『今抗体がインフルエンザウイルスと戦ってるんだよ、吐き気はある?』つわりの事だ。
『大丈夫けん、少し寝るわ、ハルくん抱っこして寝よう?』花子を抱き締めながら夕方迄疲労感からか深い眠りに付いた。
花子が子供を抱く夢を見た気がする。
可愛い女の子だった。
花子に良く似た可愛い女の子の子供だった。
僕は幸せだった。
うん、この時空間も悪く無い。
そして目覚めれば花子が物凄い寝汗でハァハァしていた。
また嘔吐したのか万年床には消化不良の寿司が転がり汚れていた。
『花子ッ!』思わず抱き起こす。
花子はハァハァと荒い呼吸だ。
インフルエンザ…インフルエンザの薬ッ!
畜生ッ!何処にしまったんだッ!
『花子、インフルエンザの処方箋は?』抱き起こし揺さぶる。
『か、鞄…ヴィヴィアンウエストウッドのバックの中…』畜生ッ!僕は慌てて花子のヴィヴィアンウエストウッドの鞄を逆さまに振った。
マスカラや化粧コンパクトが散乱する中、処方箋の紙袋が落下した。
リレンザ、カロナール、ナウゼリンを水で無理矢理服用させ様としたが花子はハァハァとしながら『あ、赤ちゃんに悪影響あるけん、いらん』とゲホゲホ咳き込んでいる。
馬鹿…しかし、早く自然に治癒すれば良いのだけれどなぁ。