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人魚島
第10章 東京編
花子の容態は益々酷くなる。
僕はシンイチに明日31日も休め無いか電話してみた。
アパートの軒先、雪が降りしきる中シンイチが着信に応じた。
『よう、春樹、2連休はしっかり鋭気養ったか?今何処だよ?』
相変わらずシンイチは飄々としといた。
『今アパートの軒先、花子に聞かれると余計な心配かけちゃうから…』
『あの花子とか言う娘、どうかしたのか?』
『インフルエンザウイルスに掛かって、しかも妊娠10週目なんですよ』
『ハハハ…なら抗生物質やらは摂取し無い方が腹の餓鬼には良いな』
『はい』
『その様子だと、あらかたこの時空間が気に入ったみたいだな、生むのか?』
『はい、結婚します』
『へぇ、泣けるねぇ』
『で、明日31日なんですが休め無いですか?』
降っては積もり、降っては積もる粉雪を見上げながら僕は続けた。
『花子の容態が心配なんです』
『…駄目だ』
『………』
『イシコリドメからロマネコンティ下ろして、アフターで骨抜きにしろ』
『ロマネコンティ…300万するじゃ無いですかッ?』
『お前には年明けにはコニャック…レミーマルタンコニャックブラックパールルイ13世を下ろさせる』
『ブ、ブラックパール?い、いくらなんですか?』
『560万だ』
『………』
『そしてハーディペルフェクションコニャックも更に下ろして貰う』
『ハーディペルフェクションコニャックは一本いくらなんですか?』
スマートホンの向こう側、シンイチがニヤリとする気配がした。
『うちじゃ2千万だな』
足元が震えた。
『更にヘネシーボテドシエクルコニャックは2千100万だ、安い方だろ?お前らしく魚人に似合う呑めば不老長寿になるって噂のヘンリーコニャックグランデシャンパンもあるぜ?』
『い…いくらなの?』
『姉ちゃんが昨日来て呑んでたな、確か1億円だな、アホたれだろ』
い、1億だってッ?
『まぁ、俺ですらまだ呑んだ事がねぇ幻のコニャックもあるよ?』
『幻のコニャック?』
『ああ、ボトルに俺らしく龍神が刻印されてダイヤモンドが4000個散りばめられた最高級コニャック、通称アシエンダ、名前はアシエンダラカピリャ3億5千万だな』
こ、高級タワーマンションが買えてしまうッ!
『お前には最終的にはアシエンダ、イシコリドメから下ろして貰うからな』
『そんな』
僕はシンイチに明日31日も休め無いか電話してみた。
アパートの軒先、雪が降りしきる中シンイチが着信に応じた。
『よう、春樹、2連休はしっかり鋭気養ったか?今何処だよ?』
相変わらずシンイチは飄々としといた。
『今アパートの軒先、花子に聞かれると余計な心配かけちゃうから…』
『あの花子とか言う娘、どうかしたのか?』
『インフルエンザウイルスに掛かって、しかも妊娠10週目なんですよ』
『ハハハ…なら抗生物質やらは摂取し無い方が腹の餓鬼には良いな』
『はい』
『その様子だと、あらかたこの時空間が気に入ったみたいだな、生むのか?』
『はい、結婚します』
『へぇ、泣けるねぇ』
『で、明日31日なんですが休め無いですか?』
降っては積もり、降っては積もる粉雪を見上げながら僕は続けた。
『花子の容態が心配なんです』
『…駄目だ』
『………』
『イシコリドメからロマネコンティ下ろして、アフターで骨抜きにしろ』
『ロマネコンティ…300万するじゃ無いですかッ?』
『お前には年明けにはコニャック…レミーマルタンコニャックブラックパールルイ13世を下ろさせる』
『ブ、ブラックパール?い、いくらなんですか?』
『560万だ』
『………』
『そしてハーディペルフェクションコニャックも更に下ろして貰う』
『ハーディペルフェクションコニャックは一本いくらなんですか?』
スマートホンの向こう側、シンイチがニヤリとする気配がした。
『うちじゃ2千万だな』
足元が震えた。
『更にヘネシーボテドシエクルコニャックは2千100万だ、安い方だろ?お前らしく魚人に似合う呑めば不老長寿になるって噂のヘンリーコニャックグランデシャンパンもあるぜ?』
『い…いくらなの?』
『姉ちゃんが昨日来て呑んでたな、確か1億円だな、アホたれだろ』
い、1億だってッ?
『まぁ、俺ですらまだ呑んだ事がねぇ幻のコニャックもあるよ?』
『幻のコニャック?』
『ああ、ボトルに俺らしく龍神が刻印されてダイヤモンドが4000個散りばめられた最高級コニャック、通称アシエンダ、名前はアシエンダラカピリャ3億5千万だな』
こ、高級タワーマンションが買えてしまうッ!
『お前には最終的にはアシエンダ、イシコリドメから下ろして貰うからな』
『そんな』