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人魚島
第10章 東京編
花子は寝汗をかきながらなんと窓を開けて寝ていた。
寝苦しいのか、しきりにハァハァと呼吸は荒い。
額には汗が浮かび、金髪の前髪が張り付いていた。
花子を起こさぬ様にソッとTIFFANYで買った婚約指輪を花子の左手薬指にはめた。
そしてそのまま眠りに付いた。
昼11時に起きる。
花子は相変わらず眠っていた。
ハァハァと荒く呼吸しながら時折咳き込んでいる。
1月4日になればJCHO東京新宿メディカルセンターに連れて行ける。
予約も午前中だ。
12月31日、外は賑わっている。
仮想した奇抜な格好の人々が練り歩き、ハッピーニューイヤーに向けて朝から酒を呑みかわしているらしい。
僕は窓を半分だけ閉めて花子を撫でてやる。
ビクンとしながら目蓋をゆっくり開ける花子。

『おはよう、花子、何か食べる?』

僕の問い掛けにボンヤリ布団の中で頭をゆっくり左右に振る花子。

『熱、測るか』

『…うん』

ようやく頷く花子。
体温計を脇腹に挟み『熱いけん、ガリガリくん買って来て?』と斜向かいのローソンを指差す花子。
僕は『解ったよ』と適当なジーンズに足を突っ込み、出掛けた。
ガリガリくんを10本程買う。
帰宅すれば花子が『早く出て来い、早く出て来い』と腹を撫でている。

『あ、ハルくん、おかえりなさい』

『はい、ガリガリくん』

『ありがとう』

早速ガリガリくんソーダ味をバリバリ食べる花子。
残りは冷凍庫にしまった。

『ねぇ、ハルくん』

『ん?』

花子の隣に座りながら大晦日の特番を眺める僕に花子が続けた。

『赤ちゃんね』

『うん』

『ハルくんとの赤ちゃんじゃ無くても良いの?』

僕はゆっくり花子を見詰めてフンワリ微笑みながら頷いて見せた。

『当たり前じゃ無いか、それでも構わ無いって言っただろ?』

『ハルくん…』

『花子の子供には変わら無いんだから一緒に育てようよ』

『ハルくん…ありがとうね』

花子が僕の胸板に頬を寄せる。
その華奢な身体を抱き締めながら『近々引っ越そう、ここは狭い、蔵前の実家の親父に土下座して訳を話すから実家近くで二人で暮らそう』と僕は呟く。
もし、腹の子供が僕の子供じゃ無いとしても構わ無かった。
愛してるのは花子の魂だ。

『早く4日になら無いかな、病院行きたいわぁ』

『後少しの辛抱だよ』

『ハルくん何か食べたら?』

『うん』
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