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人魚島
第10章 東京編
『ハルくん…』

『うん?』

『ありがとう』

『それより早く気付いてよ?』

『何?』

未だに婚約指輪の存在に気付いてい無い花子に思わず吹き出してしまう。
僕は花子の左手を取り『ほら』と左手薬指を顎で指した。
人魚の形を模したそれは18万、給料3ヶ月分だとかが目安らしいが、生憎僕には金が無い。
花子の目がゆっくりみるみる内に大きく見開かれ僕と指輪を交互に見上げたり見下ろしたりする。
途端抱き付きガリガリくんを投げ出して僕を押し倒す花子。

『ありがとうッ!ありがとうッ!』

『アハハ…くすぐったいよ』

花子は僕の肩に頬擦りしながら『ありがとうッ!ありがとうッ!』と笑う。
ああ、幸せだ。
いたく幸せだ。
いたくいたく幸せだ。

『何処で買って来てくれたのぉッ?』

『六本木ヒルズのTIFFANYだよ』

『高くなかったッ?』

『花子は気にしなくて良いよ』

『ありがとうッ!一生大事にするねッ!』

花子は僕の上で『ああ、可愛いなぁ、人魚の形だぁッ!』とはしゃぐ。
そんな花子が愛しかった。
花子を腹に乗せて『騎乗位攻撃ッ!』と笑いながら腰を振る。
なんだか楽しい。

『マクドナルドで何か買って来るよ、花子は本当に何も食べ無いの?』

時刻は11時半、昼時だ。
しかし花子は小腹すら空いてい無い様だ。

『アイス珈琲だけ買って来て』

『アイス珈琲ね、ブラックだよね』

頷く花子。
僕はへこんだサンダルを履いて雪が降りしきる新宿のマクドナルドに向かう。
いつもなら並ぶが大晦日である。
やたら暇なのか珍しく列をなしてい無い。
とりあえず一度花子に電話するが、やはり『何も食べたく無い、アイス珈琲だけで良いよ』と言われる始末。
仕方無くフィレオフィッシュバーガーのセットとアイス珈琲単品を買いアパートに駆け出す僕。
帰宅して花子にアイス珈琲を与えてやる。
喜ぶ花子。
可愛い。
僕はフィレオフィッシュバーガーを食べながら大晦日の特番を花子と一緒に馬鹿みたいに笑いながら観た。
やがて6時になりドラゴンゴッドにてCartierのスーツにタンクアングレースを腕に着けて出勤すれば何やらシンイチが待っていた様だ。

『はん、アングレースか、なかなかやるじゃん、イシコリドメからか?』

ブラックデビルを燻らせながらシンイチは続けた。

『ブラックパールとペルフェクションは?』
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