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人魚島
第10章 東京編

『イシコリドメなら大丈夫です。今夜も来ます。ブラックパールもペルフェクションも一本ずつですが、下ろしてくれるそうです』
『やるじゃねぇか、イシコリドメは昔俺の女だったんだが、好きに使えよ』
イシコリドメ、シンイチの元彼女なのか。
『まぁ、セックスフレンドや、気遣いいらねぇよ』
見透かしたかの様にシンイチがニヤリと笑いブラックデビルを燻らせ手を叩く。
『お前等、今夜は大晦日やッ!しっかり気張って骨の髄迄根こそぎ金奪いさらせやッ!アホンダラッ!』
シンイチが両手の人差し指と小指と親指だけ立てて背中を仰け反らしながら『ファァァッッックッッッ!!!』と叫んだ次の瞬間、ピアノ演奏者が月光の第三楽曲を奏でた。
12月31日、大晦日、いよいよドラゴンゴッド開店だ。
着飾った女達が開店と同時にやって来た。
それをニヤニヤしながら眺めていたシンイチだったが不意に入り口を振り返り『ああ、ついてねぇ』と項垂れた。
何やらサングラスに黒いスーツの男二人を連れた35歳位の女性が階段を降りて来た。
威嚇する様な目付き、光る縁無し眼鏡、Cartierらしい赤のピチピチのミニワンピースにCartierの黒い毛皮、ガーターベルトが覗く脚には太陽マークらしい入れ墨が腿から足首に渡って彫られていた。
髪の毛は長くセンター分けで、左右モノトーンカラーに別々の色に染められている。
前から見て右側が灰色で左側が黒だ。
クロコダイルのハンドバッグを片手に推定Gカップの豊かな胸を揺らしながら『春は居無いの?』と辺りを見渡す。
『あ…ぼ、僕です』
近付けばサングラスのスーツ男達が女の前に立ち塞がる。
『構わないわ』
女が片手を上げれば男達が離れ『失礼致しました、ミス』と頭を下げる。
ミス?
独身なのか?
『私はアマテラス、シンイチの姉だよ』
嗚呼…天照大御神だ。
『アンタの噂を聞き付けて来たのよ、アンタ本名は?フルネームで答えなさい、早く』
急かされ慌てて僕は『さ、篠山、篠山春樹です』と答える。
『春樹ね、良いわ、指名してあげる、シンイチVIPルーム借りるわよ』
『へいへい』
まだイシコリドメとも入った事の無いVIPルーム、黒い壁に豹柄の天井、シャンデリア、豹の剥製が首だけで壁から生えている。
黒い本革製のソファーにイタリアガラスらしいガラステーブルが並んでいる20畳程度だ。
『やるじゃねぇか、イシコリドメは昔俺の女だったんだが、好きに使えよ』
イシコリドメ、シンイチの元彼女なのか。
『まぁ、セックスフレンドや、気遣いいらねぇよ』
見透かしたかの様にシンイチがニヤリと笑いブラックデビルを燻らせ手を叩く。
『お前等、今夜は大晦日やッ!しっかり気張って骨の髄迄根こそぎ金奪いさらせやッ!アホンダラッ!』
シンイチが両手の人差し指と小指と親指だけ立てて背中を仰け反らしながら『ファァァッッックッッッ!!!』と叫んだ次の瞬間、ピアノ演奏者が月光の第三楽曲を奏でた。
12月31日、大晦日、いよいよドラゴンゴッド開店だ。
着飾った女達が開店と同時にやって来た。
それをニヤニヤしながら眺めていたシンイチだったが不意に入り口を振り返り『ああ、ついてねぇ』と項垂れた。
何やらサングラスに黒いスーツの男二人を連れた35歳位の女性が階段を降りて来た。
威嚇する様な目付き、光る縁無し眼鏡、Cartierらしい赤のピチピチのミニワンピースにCartierの黒い毛皮、ガーターベルトが覗く脚には太陽マークらしい入れ墨が腿から足首に渡って彫られていた。
髪の毛は長くセンター分けで、左右モノトーンカラーに別々の色に染められている。
前から見て右側が灰色で左側が黒だ。
クロコダイルのハンドバッグを片手に推定Gカップの豊かな胸を揺らしながら『春は居無いの?』と辺りを見渡す。
『あ…ぼ、僕です』
近付けばサングラスのスーツ男達が女の前に立ち塞がる。
『構わないわ』
女が片手を上げれば男達が離れ『失礼致しました、ミス』と頭を下げる。
ミス?
独身なのか?
『私はアマテラス、シンイチの姉だよ』
嗚呼…天照大御神だ。
『アンタの噂を聞き付けて来たのよ、アンタ本名は?フルネームで答えなさい、早く』
急かされ慌てて僕は『さ、篠山、篠山春樹です』と答える。
『春樹ね、良いわ、指名してあげる、シンイチVIPルーム借りるわよ』
『へいへい』
まだイシコリドメとも入った事の無いVIPルーム、黒い壁に豹柄の天井、シャンデリア、豹の剥製が首だけで壁から生えている。
黒い本革製のソファーにイタリアガラスらしいガラステーブルが並んでいる20畳程度だ。

