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人魚島
第10章 東京編
僕は『インフルエンザ治ったらね』と花子を抱き締める。
花子からはフンワリパンテーンの香りがしていた。
サラサラの花子の金髪頭を撫でながら熱燗片手に帰路に着く。
帰りにミケさんから電話があり『来週末人魚島に一時帰省するから、魚沼家に言伝ては無い?』と訊ねられ『元気にやってる』とだけ伝えて欲しいと告げた。
雪が降りしきる中に、しっかり花子と手を握りながら帰宅する。
幸せ過ぎて涙が出そうだ。
花子は『お節待ちながら作ったけん、食べよう』と卓袱台に重箱を乗せた。
僕は『蔵前のマンション明日から探してみようか』と重箱を開きながら花子に笑った。
花子も『うんッ!』とスマートホン片手に蔵前の物件をポチポチ検索し出す。

『花子は子供何人欲しい?』

僕の素朴な質問に真剣に考えてから『三人』と人差し指と中指と指輪が光る薬指を突き出す花子。

『なんで?』

『あたし姉妹やったから、妹欲しかったけんな』

成る程。

『解ったよ、頑張って精液射精するよ』

『名前考えんとな、前にも言うたけどさ、女の子なら春子、男なら秋生まれやけん春樹から取ってや、秋樹にしよ?』

春子と秋樹か。
なかなか悪く無いな。

『初産やけんね、奈良県の帯解神社でお祈りせなな』

『お祈り?帯解神社?』

『うん、なんか皇族様とかはご懐妊したら帯解神社で安産祈願するらしいよ?ちょっと遠いけど、安定期来たらハルくんのBMWで関西旅行行こうよ?』

奈良県か、久しぶりだな。
小学生の頃の修学旅行以来だ。

『花子は小学生の修学旅行先何処だったの?』

『金無いけん、広島県だったよ、原爆ドーム前とかで記念撮影したよ』

『へぇ』

佃煮をモグモグしながら美少女時代の花子に想いを馳せた。

『楽しかったけん、またハルくんとも行きたいなぁ』

『行こうか』

『うんッ』

その日は熱燗片手に朝迄年明けのスペシャル番組を観てから眠りに付いた。
花子を腕に抱きながら僕は涙を流した。
昼過ぎ目覚めれば花子の容態は悪化していた。
忌々しいインフルエンザだな。
氷枕を用意し、花子の額に乗せる。
1月1日、JCHO東京新宿メディカルセンターの予約は4日だ。
後3日はこんな状態なのだろうか?
不安になりながらテレビを付けて讃岐うどんを茹で、花子に食べさせたが、物の15分足らずでトイレで嘔吐してしまう。
つわりはかなり深刻だった。
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