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人魚島
第10章 東京編
鮭の切り身を購入し、アパートに帰宅して捌く僕。
『ハルくんは良い主夫になるよ』と笑う花子に『借金返済したら改めて就職活動するよ』と告げた。
ブラック企業でも氏が無い三流会社でも良いから、ホストクラブだなんて水商売では無くまともに働きたかった。
あらかた綺麗に鮭を捌き終え、切り身にして炊飯器にセットする。
辺りは鮭粥の甘い香りが立ち込めた。
チビに缶詰めをやり、僕等は鮭の粥を食べた。
なかなか甘くて美味い。
レンゲですくいフゥフゥする花子を愛しく眺めながら僕は決めた。
改めて決めた。
この時空間の花子と幸せになろう、と。
翌日、朝からシンイチに呼び出され新宿のドラゴンゴッド前に待ち合わせする。
新型スーパーカースープラが横付けされ、髪を下ろしラフなヴィヴィアンウエストウッドのYシャツ姿のシンイチに助手席に促された。

『なんですか?』 

『まぁ、軽く横浜市迄行こうや』

『………?』

神奈川県横浜市、横浜中華街なんかがある観光地だ。
不意にシンイチがL'Arc~en~Cielのドライバーズハイを車内に流す。
なんとなくだったがシンイチは若い頃のhydeに似ている。
神がかって美しい所なんか良く似ていて瓜二つだ。

『L'Arc~en~Ciel好きなんだよな』

シンイチがサングラスを不意に掛けながら呟いた。
僕は生憎世代が違うが様々な歴史を知るシンイチなら知っているのかも知れ無い。

『特に侵食が好きだな、聴くか?』

シンイチがチャプター画面を弾きドライバーズハイから侵食に変えた。
ライブ動画らしく、液晶画面にはライブステージの暗闇の中、妖艶に歌うhydeの姿が。
横顔なんかシンイチはhydeにソックリだ。

『歌詞が神っぽいやろ?』

ニヤリと笑いながらブラックデビルを咥え高級ライターデュポンで火を灯すシンイチ。
僕は近付く横浜市に何があるのか思案した。

『何処に向かってるんですか?』

『神奈川県の横浜刑務所、叔母さんが居るんや』

『叔母さん?』

『イナダヒメや』

イナダヒメ、確かスサノウノミコトの妻だ。
そしてシンイチの元彼女だ。

『稲田姫華って名前のポン中や、俺が会いに行っても毎回決まって『どちら様ですか?』やぞ、頭溶けとる』

笑いながらスープラを加速させるシンイチ。

『何故イナダヒメは覚醒剤中毒に?スサノウノミコトは?』
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