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人魚島
第10章 東京編

思わず『大丈夫かい?心配だよ?』とLINEするがやはり返信は無い。
咄嗟にシンイチを揺さぶり起こす。
『ねぇ、シンイチ?』
『んだよ、触んな』
目蓋を擦りながら上体をゆっくり起こすシンイチに訴えた。
『花子から連絡が無いんだ』
『あん?寝てるんじゃねぇのか?』
『まさか、僕が出掛ける間際起きてたよ』
『その後寝たんじゃねぇの?』
面倒そうに身を捩って寝返りを打つシンイチ。
『けど、花子は僕が居無きゃなかなか寝付かないんだよ?心配だよ、今すぐ新宿に向かってよ?』
『あん?首都高湾岸線使っても一時間は掛かるんだ、大人しくしてろよ』
僕は仕方無くLINEで花子に『今から帰るよ』とだけ送ってタクシーで横浜中華街に戻って来た。
時刻は昼の11時半。
『腹が空いたなぁ』とタクシーから降りて伸びをするシンイチ。
一方僕はオロオロしながら再度花子に電話する。
しかし、やはり繋がらない。
『糞ッ!』と悪態を付く僕にニヤニヤしながら『おい、飯食うぞ』と息巻くシンイチ。
仕方無く付いて行けば中華料理屋に連れられる。
香辛料の香りがする中、シンイチは1000円の炒飯と8000円の北京ダックを注文する。
勿論ドリンクは焼酎だ。
運ばれた焼酎片手に『会わしたかったんだよ』と自嘲するシンイチ。
『どうして?』と訊ねると『イナダヒメと花子ってなんとなく風貌が似てるからかな』とブラックデビルを早々に燻らせる。
『とにかく愛さえありゃ大抵の事は解決しちまうんだ』
『はぁ、まぁ、そうですね』
『なんだ、気のねぇ返事だな』
ニヤニヤしながらシンイチが炒飯を掻き込み焼酎を呷る。
僕も焼酎を呷る。
苦くて不味い。
薬酒だ。
養命酒の親戚みたいだ。
『あん?不味いか?内臓、特に睾丸に良く効くらしいぜ?』
『こ、睾丸?』
『ああ、しこたま良質な精液が出来るんだ、それに勃起力だって増す、セックスに向いた酒なんだよ』
ニヤニヤしながら焼酎を呷り、北京ダックを切り分け大口を開いて食べるシンイチ。
思わずポカーンとしてしまう。
しばらく炒飯と北京ダックを楽しんだシンイチはいよいよ呑む姿勢に入る。
肘を付きながら『さぁ』と僕を促す。
仕方無くやれやれと素直に付き合う僕に『良い子だ』とニタリとするシンイチ。
僕は渋々薬酒を呑んだ。
やはりかなり苦くて不味い。
身体が火照り震えた。
咄嗟にシンイチを揺さぶり起こす。
『ねぇ、シンイチ?』
『んだよ、触んな』
目蓋を擦りながら上体をゆっくり起こすシンイチに訴えた。
『花子から連絡が無いんだ』
『あん?寝てるんじゃねぇのか?』
『まさか、僕が出掛ける間際起きてたよ』
『その後寝たんじゃねぇの?』
面倒そうに身を捩って寝返りを打つシンイチ。
『けど、花子は僕が居無きゃなかなか寝付かないんだよ?心配だよ、今すぐ新宿に向かってよ?』
『あん?首都高湾岸線使っても一時間は掛かるんだ、大人しくしてろよ』
僕は仕方無くLINEで花子に『今から帰るよ』とだけ送ってタクシーで横浜中華街に戻って来た。
時刻は昼の11時半。
『腹が空いたなぁ』とタクシーから降りて伸びをするシンイチ。
一方僕はオロオロしながら再度花子に電話する。
しかし、やはり繋がらない。
『糞ッ!』と悪態を付く僕にニヤニヤしながら『おい、飯食うぞ』と息巻くシンイチ。
仕方無く付いて行けば中華料理屋に連れられる。
香辛料の香りがする中、シンイチは1000円の炒飯と8000円の北京ダックを注文する。
勿論ドリンクは焼酎だ。
運ばれた焼酎片手に『会わしたかったんだよ』と自嘲するシンイチ。
『どうして?』と訊ねると『イナダヒメと花子ってなんとなく風貌が似てるからかな』とブラックデビルを早々に燻らせる。
『とにかく愛さえありゃ大抵の事は解決しちまうんだ』
『はぁ、まぁ、そうですね』
『なんだ、気のねぇ返事だな』
ニヤニヤしながらシンイチが炒飯を掻き込み焼酎を呷る。
僕も焼酎を呷る。
苦くて不味い。
薬酒だ。
養命酒の親戚みたいだ。
『あん?不味いか?内臓、特に睾丸に良く効くらしいぜ?』
『こ、睾丸?』
『ああ、しこたま良質な精液が出来るんだ、それに勃起力だって増す、セックスに向いた酒なんだよ』
ニヤニヤしながら焼酎を呷り、北京ダックを切り分け大口を開いて食べるシンイチ。
思わずポカーンとしてしまう。
しばらく炒飯と北京ダックを楽しんだシンイチはいよいよ呑む姿勢に入る。
肘を付きながら『さぁ』と僕を促す。
仕方無くやれやれと素直に付き合う僕に『良い子だ』とニタリとするシンイチ。
僕は渋々薬酒を呑んだ。
やはりかなり苦くて不味い。
身体が火照り震えた。

