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人魚島
第10章 東京編
僕はむせ返りながら涙を滲ませながら薬酒を呑んだ。
そんな僕をニヤニヤしながら見詰めて薬酒を呷るシンイチ。
しばらくしてシンイチがトイレに立ったらタイミングに花子に電話を掛けたがやはり出ない。
時刻は昼の1時半、僕はシンイチを説得した。
シンイチは『仕方無ぇなぁ』と頭を掻いて頷きスープラに乗り込んだ。
僕も続いて助手席に乗る。
首都高湾岸線をひたすら北に向かって走る。
次第に見えて来る東京スカイツリーにホッとする僕。
『飛ばすぞ』とアクセルを踏み込むシンイチ。
嫌な予感がする。
ザワザワと胸を掻き立てられた。
新宿に着き、アパートの扉を開けようとしたが、鍵だけじゃ無くチェーン迄掛かっていた。
シンイチが眉ねを寄せた。

『おい、花子ッ!開けてよッ!僕だよッ!春樹だよッ!帰ったよッ!』

ドンドンッ!ドンドンッ!と扉を叩く僕に『離れてろ』とヤクザ蹴りを薄いベニヤ板みたいな扉に食らわすシンイチ。
二度三度蹴りを入れればギッ…と開く。
シンイチが中に慌ただしくヴィヴィアンウエストウッドのスニーカーのまま入り、僕も続く。
中には必死に花子の上でハァハァと腰を振るう敦さんの姿があった。

『あ…や…み、見ないでッ!』

花子が泣き叫んだ次の瞬間、シンイチが敦さんの横腹を思い切り蹴り上げた。

『うッ!』

唸り踞る敦さんにシンイチは容赦無い。

『小僧ッ!死にてぇのかッ?あんッ?』

蹴りを入れ続けるシンイチ。

『花子、大丈夫かいッ?』

ガタガタ震える花子に寄り添い『シンイチッ!友人なんだッ!その位にしといてやれよッ!』と訴えたが遅かった。
不意にグキッと鈍い音がした。
蟹の足を捻った時の音みたいだった。
シンイチがニヤニヤしながら後退り開口一番『殺っちまった』と笑う。
僕は慌てて敦さんに駆け寄った。
首が有り得無い方向を向いていた。
僕は思わず尻餅を付く。
シンイチも座り込み、貧乏揺すりしながら親指の爪を噛み『多摩川…いや、樹海…あるいは…鬼ヶ瀬…』とブツブツ呟いている。
敦さんは明らかに呼吸してい無かった。
恐る恐る近付き、首筋の脈を見たが動いてい無い。

『まずい事になったな』

ニヤニヤしながらブラックデビルを悠長に燻らせるシンイチの胸ぐらを掴み揺さぶった。

『どうすんだよッ?敦さん死んじゃったじゃ無いかッ!この人殺しッ!』

途端僕を蹴り上げるシンイチ。
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