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人魚島
第10章 東京編
敦さんは"原型"をほぼほぼ留めてい無いらしく内臓はタッパーに小分けされ、肉体はビニール袋に折り曲げられて入れられているらしい。
不気味な気配にビクンビクンしながらハイエースは走り続けた。
走り出しは快調だった。
妊婦の花子が居るにも関わらずシンイチは先程から何やら無闇やたらにブラックデビルをスパスパやっていた。
車内が煙たく白くなる。
花子がゲホゲホむせる。

『なぁ、シンイチ』

『なんだよ?煙草なら自重しないぜ?』

『あのなぁ、妊婦が居るんですよ?』

『仕方無ぇなぁ、自重してやらぁ、なぁ春樹、俺ちょっと仮眠すっからよ、静岡県のサービスエリアに適当に東名自動車道下って着いたら起こしてくれや』

『解りました』

ここで一度運転手交代だ。
しかし、僕自身は免許証を持っていても運転した"記憶"が無い。
それでもなんとか、運動神経で運転する。
眠気覚ましに缶珈ボス缶を呷りなんとなくL'Arc~en~Cielのドライバーズハイを流せば元気になれた。
不思議とハイになれた。
エアコンを24℃に設定する。
生暖かい風に睡魔が襲い仕方無く三本目のボス缶を呷りながらブラックガムを噛んだ。
西日が眩しい中を走るハイエース。
やがて東名自動車道から2時間半で静岡県の清水サービスエリアにやって来た。
時刻は夕方6時半だ。
サービスエリアで煙草を吸うシンイチを余所に僕と花子は鰊の蕎麦を食べた。
ご当地キティちゃんのボールペンを花子が物欲しそうに眺めるので買ってやる事にした。
花子が退屈し無い様にルービックキューブも買って出発だ。
『次は桑名サービスエリアだからな』シンイチがブラックデビルを燻らせながらニヤニヤした。
雪が積もっていて、チェーンを男二人でタイヤに巻いた。
スタッドレスタイヤでは無い様だ。
シンイチが灰皿にブラックデビルを突っ込みながら『飛ばすけんな』と笑いドライバーズハイを流す。
なんだか隠蔽旅行なのに、hydeの歌声に不思議とワクワクさせられた。
助手席で花子が『一面揃った』と笑う。
僕が『貸して』と全面揃わせば『ハハハ…やるじゃん』とシンイチも笑う。
ボス缶を呷りながら三重県桑名までおよそ3時間の旅路を急ぐ。
シンイチはヴィヴィアンウエストウッドのサルエルパンツのポケットに忍ばせた敦さんの免許証片手に『へぇ、遠山敦2001年5月20日生まれ19歳か』と眺める。
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