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人魚島
第10章 東京編
敦さん5月生まれなんだな。
なら双子の兄の禅さんも同じ5月生まれなんだな。

『日付跨ぐ難産だったらしいけん、禅は5月19日夜の12時41分生まれで敦は翌日朝の3時59分生まれらしいで?なかなか敦が出てこやんかったらしい』

『へぇ双子なのに生まれたタイミングバラバラだったんだね』

『ねぇ、ハルくん、あたし等の赤ちゃんも双子やったらどうする?』

双子かぁ。
僕は少し考えてから『嬉しいよ』と笑う。

『どっちに似ても可愛いだろうな、なぁ、春樹良かったな』

笑うシンイチに『でもお客さんの赤ちゃんかも…』と顔を曇らせる花子に『んな顔すんな、お前等の餓鬼や、やし、春樹の餓鬼や、俺は神や、解るに決まってる』と珍しく肯定的だ。
ボス缶を呷りながら『式呼べよ?イナダヒメと行くからよ』と笑うシンイチ。
イナダヒメ、綺麗な人だったな。
人間離れしたあの愛くるしいルックスは神がかっている。
確かにシンイチが言う様に花子に似ていた気がする。
早くあの閉鎖病棟から出れたら良いのになぁ。
次第にいよいよ寒さが足元から襲って来る
不意にシンイチが中島美嘉の雪の華を流した。
『寒いから止めようよ』と笑う僕に『ミケと中島美嘉瓜二つじゃね?』とニヤニヤするシンイチ。

『特に若い頃の中島美嘉に似てるよな、蓮の奴は若い頃のCHARAに似てるし、魚姫もなかなか人間であれだけの別嬪揃えるとか凄まじいな』

『へぇ』

『和代婆も若い頃はレディー・ガガみたいだったんだぜ?』

和代婆、売春街を取り仕切る棟梁で胴締めだ。

『まぁ、かれこれ60年位前の話やけどな、昔から奇抜な婆さんだったよ、なかなか騎乗位が上手かったな、まぁ、今でも現役の嬢らしいが抱く気にはならねぇな』

笑いながらボス缶を呷り『雪で視界が悪いな』とワイパーを強にするシンイチ。
どこか楽しそうだ。
順調だった。
正月明け、高速道路は全て空いている。
唸るハイエース、やがて新東名高速道路を走り桑名サービスエリアに到着した。

『次は姫路迄運転手交代だ、しっかりブラック珈琲飲んどけよ』

アンモニア臭のする車内、なんだかエアコンで"敦さん"が腐って来たのか温泉玉子の様な硫黄臭がし始めた。

『チッ…腐って来たか…臭うな、しばらく窓開けるぞ』

シンイチが窓を全開にする。
たちまち車内は凍える様に寒い。
ウィンターホールにチャプターを変える。
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