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人魚島
第10章 東京編
『おうおう、オオクニヌシッ!2年振り位か?ああ、紹介するよ、こいつは俺の親友の篠山春樹、隣はその彼女の花子だ、魚沼花子だ、春樹、こいつはダチのオオクニヌシ、あの出雲大社の神だ』

まさかシンイチが僕の事を親友だなんて紹介するとは思わ無かった。
驚きつつオオクニヌシと握手する。

『何しちょうや?なんがあっだが?』

オオクニヌシがフンワリ微笑みながら訊ねる。
シンイチが小声で『死体捨てに行くんだよ』と話せば『ああけ、しゃあない?』と笑う。

『しょうからッ好いちょうよ?だらくそだが好いちょうよ?どげすーだ?』

『鹿児島県の姉ちゃんの養豚借りて、アルカリで煮詰めた死体ぶっ食わせるつもりだ』

『だらだねがッ?あほんだらッ!あんにゃあいけんだそれは?』

『仕方無いだろ?それ以外方法ねぇけんな』

『おじないいがな、腐敗進んでるじゃけぇ、大丈夫が?きしゃない組織液出とらんが?』

『ああ、多分出とるけん』

『おぜな、おぜな、いたしいな、あぎゃん手伝ったろが?』

『どないして?』

『トキハカシの神に連絡だ、腐敗しなはったんぎゃ遅らしで貰うぎゃ』

『ハハハ…マジかよ』

『じがないしぇーたもんだ、じなくそ良く出来るが』

オオクニヌシが何やらトキハカシに電話している。
しばらくして太いエンジン音と共にスーパーカーRX7がサービスエリアの駐車場を陣取った。
中からは小柄なEXILEのATSUSHIみたいな金髪坊主頭に黒いサングラスに24kasasのスウェットで、何故かドンキホーテで売ってそうなハローキティちゃんの健康サンダル姿の男がやって来た。

『なんじゃ?何やらがしだが?』

男がRX7から離れこちらにやって来る。
赤丸を燻らせながら『で、しゅわいわ、どうしたかね?訳はあらかたオオクニヌシがらおんぼらと言わいたが』と眉ねを寄せた。

『こいつが時を司る男神、トキハカシだっちゃ』

フンワリ微笑みながらオオクニヌシがトキハカシを紹介した。
トキハカシは本当に小柄にしたEXILEのATSUSHIみたいだった。
身長は165㎝と言った具合か。
シンイチとオオクニヌシがトキハカシに訳を更に詳しく話す。

『しゃあないだっちゃ』

トキハカシは解ってくれたのか僕等のハイエースに近付き後部座背のスライド扉を開いた。

『わ、どげしたや?きしゃないッ!臭ッ!何しちょうやッ?』
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