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人魚島
第10章 東京編
トキハカシが敦さんに近付き『臭いッ!』と顔を背ける。
背後では僕、シンイチ、花子、オオクニヌシが心配そうにトキハカシを見守る。

『しゃあない、なんだや簡単だ、ほれ』

トキハカシがガラスの割れた懐中時計を敦さんに這わせた。

『にょうばんご連れた旅路が、もむないや?にょうばんご妊娠してるが?』

トキハカシが花子の腹を見下ろす。

『あたしなら大丈夫です』

『たいしたにょうばんごだ、ほれ、こげで時間遡ったしなはった』

『人間界で神の力使って良いのかよ?』

『あん?おぞいアマテラスさんにおごーられるだげだ、しゃあない』

『あまりいけじこすんなよ?そがん知らんよ?』

オオクニヌシとトキハカシが笑う。
どうやら敦さんの時間だけ遡り、腐敗も止まったらしい。

『堪忍な、おおきに、まだこの世、中ツ国には居るんだろ?』

『そげだわい』

二人が頷く。

『じゃあ行くよ、また穴埋めすっから、その方言なんとかしろよ、何言ってか解んねぇよ』

『そぎゃん、そげかいな?ほな、さいなら』

オオクニヌシとトキハカシが『マクド行がん?』とRX7に乗り込んで行く。

『俺達も行くか、次は中国自動車道で山口県だ、予定なら朝の8~9時には鹿児島県だぞ、博多で明太子食おうぜ?』

僕はうつらうつらしている花子を抱き抱えながらハイエースに乗り込んだ。
シンイチが禁煙パイポを吸いながら『行くぞ』とハイエースを出す。
揺れる車内、花子は後部座席からヒョッコリ頭を出して『九州なんか初めて来るわ』とキラキラ笑う。
その後ろでは相変わらず敦さんの死体が振動でガサガサ言っていた。
僕は少し仮眠する事にした。
花子に『おいで?』とやり、座位のポーズで身を寄せ合いながら『座位攻撃ッ!』とピストンすれば花子がケラケラ笑う。
しかし、笑う花子の口内は赤く腫れ膿迄溜まっていた。
そんな花子の頭を撫でながら微睡んでいると、何やらポン酢臭い。
目蓋を開けると時刻は朝の4時、何やら飛ばしたのか早く山口県に到着した様だ。
シンイチが鰒をポン酢で食べながら関門橋を走っていた。
時速は180㎞だ。

『なかなかうめぇぞ?食うか?』

シンイチが鰒の刺し身が入ったタッパーを手渡して来た。
僕はそれを咀嚼しながら『後5~6時間ですか?』と目蓋を擦る。

『ああ、福岡で運転手交代だ、畜生、椎間板ヘルニアが寒さで疼くぜ』
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