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人魚島
第10章 東京編
『ほら、ジャムもあるよ?煮詰めて作ったブルーベリーのジャムだよ』

アペフチが丸太の椅子に腰掛けた僕等にブルーベリーとバターを手渡した。
食パンだ、有り難い。
しばし一服。
シンイチも心置き無くブラックデビルを燻らせている。
ホットミルクを頂山羊の乳らしいが癖が無く甘い。

『で?どっちが先に手を出しちまったんだい?』

『はいはい、俺だよ』

脚を組みながらシンイチが手を上げる。

『相変わらずアンタは血気盛んだね、人間殺しに慣れちまってるのかい?』

『あん?もう何百と殺して来たけんな、罪悪感はねぇよ、ましてやヤクザの端くれ、チンピラ相手だ』

『けど、若者だったんだろ?どうして殺しちゃったの?』

山羊乳の入った伊万里焼の湯飲みを傾けながらアペフチが小首を傾げた。

『あいつが花子をレイプしてたからだ』

シンイチがバツが悪そうに語り出した。

『頭ん中カッカしたよ、親友の春樹の女だったからな』

また不意にシンイチが僕を親友と言った。
なんだか照れ臭い。

『だから蹴り殺した、それまでだ』

ブラックデビルを根元迄吸い込み灰皿に押し付け消火するシンイチにアペフチは優しく語った。

『アンタは昔から仲間想いだね、変わって無いね、そう言う所は父親のイザナギ神様に似たのかね?顔だって、ほら、年々似て来たよ』

イザナギ神様ってL'Arc~en~Cielのhydeみたいなルックスなのか。
なんとなくイメージが湧く。

『親父の事は良いんだよ、800万用意した、これで豚箱借りれねぇか?一時間も掛からねぇよ、豚共は空腹か?』

『昨日から腹ペコさ、さぞ食い付きが良いよ。800万いら無いよ、昔からのイザナミ神様時代からの付き合いじゃ無いか』

笑いながら煙管に煙草の葉を詰めて吸い込むアペフチ。

『さて、じゃあ婆さんの許可も出だし、いっちょやるか、手伝えよ春樹』

シンイチが立ち上がる。
『はい』と僕も立ち上がり駐車場のハイエースに近付き後部座席のスライド扉を開いた。
そしてサンタクロースの様に『よッ』と敦さんの亡骸を担ぐシンイチ。
僕も内臓が詰められたタッパーを両手一杯に『こっちだよ』と笑うアペフチを追い掛ける。
アペフチが『この子等にやってくれよ』と一つの養豚場を指差した。
家畜特有の糞尿の臭いが凄まじい。
中にはヒグヒグ鳴く豚が50頭居る。
体長はばかでかい。
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