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人魚島
第10章 東京編
『ああ、あったよ、集合調理場、ちょっとしたダイニングキッチンやな、コミュニケーション能力は高かったらしい、それから形質人類学的観点から日本人は、過去の縄文人・弥生人や現在の日本国内に古くから住む住民がモンゴロイドに属するらしい。『モンゴロイド』と言う分類概念では漢民族などの東ユーラシア人全体が包括され、イヌイットやアメリカ先住民も含まれる。やけど遺伝子の研究が進むにつれ、便宜的に使用される分類名称としての各人種も、推定される起源地つまりは原初の居住地の地理的名称を基準とすることが多い。モンゴロイド集団の分布は日本人形成過程の分析にとって今日もなお重要な手懸かりなんや』

『詳しいな、シンイチ』

『大学で考古学専攻しとるけんな、興味深いのは1980年代からのミトコンドリアDNAハプログループの母系の研究の進展により、ヒトの母系の先祖を推定できるようになった、つまりはミトコンドリアイブや。これにより、アフリカ単一起源説がほぼ証明された訳や、やし民族集団の系統も推定できる様になった。ミトコンドリアDNAやY染色体の様なゲノムの組換えをし無い部分を用いた系統樹の作成は、集団の移動とルーツを辿るのに用いられる。例えば日本人のミトコンドリアDNAのハプロタイプの割合と、周辺の集団つまり各ハプログループを比較する事で、祖先がどのようなルートを辿って日本列島にたどり着いたかを推定出来るけんな。分析に用いられるのは、ミトコンドリアDNAの塩基配列の内、遺伝子の発現に影響し無い中立的な部分や』

『意味解ん無いや』

『形態の生成等に関与せず、選択圧を受けないため、分析に用いる事が出来るよ、ただし、ミトコンドリアDNAは稀に男性のDNAが混じる事や、人間より検証個体の多いネズミのDNA測定では、ハプログループの分岐や時期が事実とは全く異なっていたから、あくまでもY染色体DNA等、他の資料と共に考察する必要があるんや』

『難しいね』

力無く笑う僕に更に続いて話すシンイチ。

『興味深いんは、全世界の始祖の人間はミトコンドリアイブって名前の女やったんや』

『つまり?』

『白人、黒人、スパニッシュ、黄色、関係あらへんがな、全ては同じ母親から生まれたんや、その母親が唯一無二の存在、ミトコンドリアイブや』

『人類皆兄弟ってやつ?』

『せや』 

シンイチが鼻息を荒げた。
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