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人魚島
第10章 東京編
腕に花子を抱きながら僕は花子の葬式の夢を見た。
思わずむせ返り、トイレで人知れず吐いた。
花子は熟睡している様で目覚め無い。
ゲホゲホやりながら水を飲む。
冷や汗が半端無い。
寝汗が酷くヴィヴィアンウエストウッドのTシャツを濡らしていた。
再び就寝し様にも流石に寝付け無い。
寝返りを打ちながらチビを抱き上げる。
チビは小さな口を開けながら欠伸している。
全く、チビはまだ小さいから"チビ"なのに、成猫になればチビでは無くなるのに、何故チビと名付けたのだろうか?
夕方6時ドラゴンゴッドに出勤し、久しぶりに人間の女の席に着く。
やはり風俗嬢で2~3万払って7時には帰って行く。
一応名刺を渡し、LINEのアドレスを交換した。
イシコリドメが7時半にやって来て『今夜は忙しかったの、疲れたわ』とブラックパールを下ろす。
全く女神様の金銭感覚は計り知れ無い。
やれやれと笑いながら肴に巨峰葡萄を頼むイシコリドメ。
巨峰葡萄だってたかだか10粒程度で1500円はする。
馬鹿馬鹿しい。
イシコリドメは花子をやたら心配し東京水天宮の安産祈願の御守りと破魔矢を買って来てくれた。
イシコリドメが長くデコレーションされたジェルネイルで巨峰の皮を捲りながら『で?』とフンワリ微笑む。

『彼女の容態は大丈夫なの?』

『今は熱も下がって落ち着いてるけど、下痢や口内炎が酷いよ、見てて痛々しい』

『そっか』

長い付け睫毛の目蓋を伏せながらイシコリドメが『ペルフェクション下ろすよ』と力無く笑う。
そんなイシコリドメの肩を抱きながら、僕は『どうもありがとう』としか言え無かった。
イシコリドメは2時、閉店間際に帰って行った。
彼女が乗るタクシーを見送っていると、背後からシンイチが肩を抱いて来た。
酔っているのか体重を寄せながら『屋台行くぞ?ラーメン屋だ』とアルコール臭い吐息を吹き掛けて来る。

『豚骨醤油が食いてぇなぁ、バリ固でチャーシューてんこ盛り、玉子は半熟、メンマはシャキシャキ、葱タップリでさ』

シンイチがCartierのスーツのまま積もった雪の山にダイブし、雪だるまを作って行く。

『食べる気になりません、悪いですが、花子が心配ですし先に帰ります』

『まぁ、そう言うなよ?』

『じゃあ30分だけですよ?』

新宿歌舞伎、ガード下に屋台が並ぶ。

『おでんも捨てがたいなぁ』

『ラーメンは?』
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