この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
人魚島
第10章 東京編
『あん?浮気しねぇよ、ほら、俺の奢りだ、好きなの食えよ?』
屋台河童の暖簾をくぐり、カウンター席に座る。
河童みたいにハゲたオッサンが独りで切り盛りしていた。
『何にしますか?』オッサンがメニュー一覧表を手渡す。
僕はやれやれとメニュー一覧表を見ながら『とりあえず生ビール二つ』とピースサインする。
『お前も豚骨醤油にしろよ?俺と同じトッピングで構わんやろ?』
『はぁ、じゃあここは甘えときます』
『オヤジぃ、聞いてたか?豚骨醤油二つ、バリ固で半熟玉子は二つ、ナルトは入れんなよ?知り合い思い出すからな、後メンマと葱モリモリで』
生ビールを傾け早速ブラックデビルを燻らせながら『ああ、そうだ、ほら』と通帳を手渡して来た。
『なんの真似ですか?』
『給料だよ、最初やけん分割やけどな』
東京銀行の通帳、僕は通帳とシンイチの顔を交互に見下ろしたり見上げたりする。
『少ねぇが好きに使えよ』
中を開ければ2千万僕の名義で振り込まれていた。
思わず生ビールを溢す僕。
『良くやってくれたな、先月12月はお前がナンバーワンや』
ニカッと笑いながら『オヤジぃ、まだか?』と生ビールを呷るシンイチ。
僕がナンバーワン?
実感がまるで無かった。
ヘンリーコニャックグランデシャンパンが効いたのだろうか。
シンイチは嬉しそうに『2月は暇やけん、しっかりやれや?』とブラックデビルを灰皿に押し付け、ようやく来た豚骨醤油ラーメンを啜った。
2月は閑散期らしく水商売は専ら暇らしい。
後は秋、9月10月も目立ったイベントは無い為に暇らしい。
『ナルトいらねぇっつったやろッ?』
不意にシンイチが吠えた。
『はぁ、まぁ、サービスです』
『大麻比古神社のマリファナさん思い出すから嫌なんだよッ!』
地面にナルトを投げ捨てるシンイチ。
『マリファナさん?誰ですか?』
『アメノフトダマノミコトだよ、俺が悪さしてた暴走族のヘッドで先輩だよ』
『へぇ、族のヘッドか、なんで苦手なのさ?』
『ハハハ…女だよ』
『え?』
『女巡って殴り合いしたんや、もう昔の話や』
『まさかイナダヒメ?』
『せや』
『何故マリファナさんなの?』
『あいつの実家、鳴門海峡近くの神社大麻比古神社が名前の通り大麻やからな』
ああ、成る程。
『ウケるやろ?な?』
僕はニヤリと笑い、ラーメンを啜った。
屋台河童の暖簾をくぐり、カウンター席に座る。
河童みたいにハゲたオッサンが独りで切り盛りしていた。
『何にしますか?』オッサンがメニュー一覧表を手渡す。
僕はやれやれとメニュー一覧表を見ながら『とりあえず生ビール二つ』とピースサインする。
『お前も豚骨醤油にしろよ?俺と同じトッピングで構わんやろ?』
『はぁ、じゃあここは甘えときます』
『オヤジぃ、聞いてたか?豚骨醤油二つ、バリ固で半熟玉子は二つ、ナルトは入れんなよ?知り合い思い出すからな、後メンマと葱モリモリで』
生ビールを傾け早速ブラックデビルを燻らせながら『ああ、そうだ、ほら』と通帳を手渡して来た。
『なんの真似ですか?』
『給料だよ、最初やけん分割やけどな』
東京銀行の通帳、僕は通帳とシンイチの顔を交互に見下ろしたり見上げたりする。
『少ねぇが好きに使えよ』
中を開ければ2千万僕の名義で振り込まれていた。
思わず生ビールを溢す僕。
『良くやってくれたな、先月12月はお前がナンバーワンや』
ニカッと笑いながら『オヤジぃ、まだか?』と生ビールを呷るシンイチ。
僕がナンバーワン?
実感がまるで無かった。
ヘンリーコニャックグランデシャンパンが効いたのだろうか。
シンイチは嬉しそうに『2月は暇やけん、しっかりやれや?』とブラックデビルを灰皿に押し付け、ようやく来た豚骨醤油ラーメンを啜った。
2月は閑散期らしく水商売は専ら暇らしい。
後は秋、9月10月も目立ったイベントは無い為に暇らしい。
『ナルトいらねぇっつったやろッ?』
不意にシンイチが吠えた。
『はぁ、まぁ、サービスです』
『大麻比古神社のマリファナさん思い出すから嫌なんだよッ!』
地面にナルトを投げ捨てるシンイチ。
『マリファナさん?誰ですか?』
『アメノフトダマノミコトだよ、俺が悪さしてた暴走族のヘッドで先輩だよ』
『へぇ、族のヘッドか、なんで苦手なのさ?』
『ハハハ…女だよ』
『え?』
『女巡って殴り合いしたんや、もう昔の話や』
『まさかイナダヒメ?』
『せや』
『何故マリファナさんなの?』
『あいつの実家、鳴門海峡近くの神社大麻比古神社が名前の通り大麻やからな』
ああ、成る程。
『ウケるやろ?な?』
僕はニヤリと笑い、ラーメンを啜った。