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人魚島
第10章 東京編
『ああ、その顔が見たかったんや』笑いながら僕の肩を小突くシンイチ。
僕は『え?』と顔を上げる。

『お前はニカッと笑って構えとるんが、いっちゃん男前や、笑え、もっともっと笑え』

『え?』

『花子もせやったら元気になるやろ?』

白い八重歯をちらつかせながらシンイチがスープを啜る。

『まぁ、食えや、冷めちまうぞ?』

僕は笑って頷いて豚骨醤油ラーメンを啜った。
なかなか甘口で醤油が濃厚だ。
チャーシューてんこ盛りで美味い。
麺もバリ固で歯応えがあるし、メンマもしょっぱい。
葱もみずみずしい。

『美味いなぁ、屋台なんか、ドラゴンゴッド出した下積み時代思い出すけんな』

『ハハハ…』と笑いながらシンイチがラーメンを掻き混ぜる。
僕も真似て掻き混ぜる。
生ビールをお代わりするシンイチ、いたく楽しそうだ。
僕も生ビールをお代わりしてグビグビ呑んだ。
次第に微睡みタクシーで帰宅。
花子が居無い。
居間は蛍光灯こそ付いていたがチビを残して花子の姿が無い。
花子ッ?
慌てて電話する。

『はぁい』

花子がスマートホンの着信に応じる。

『今何処ッ?』

『ああ、ごめんなさい…帰ったんだ?あたし?今ローソンで立ち読みしてたよ』

『ああ、ビックリした…早く帰って来なよ?』

『解ったけん』

ベランダから外を見下ろせば花子が雪の中パジャマにヴィヴィアンウエストウッドのカーディガンを羽織りサンダルでペタペタ帰って来る姿が見えた。

『花子ッ』

下に向かって手を振るう。

『ハルくんッ』

ニッコリしながら螺旋階段を駆け上がる花子。

『おかえりなさいッ!』

『ただいま』

チビに缶詰めをやりながら『じゃあんッ』とたまごクラブとゼクシィを見せる花子。
どうやらローソンで立ち読みしていたのはたまごクラブとゼクシィだったらしい。
『可愛い付録付きだよッ』ハート型にあしらわれた付録片手に『ウエディングドレスはやっぱり白かなぁ』とウットリする。

『着物は?』

『お色直しで着るよ』

やれやれお色直し付きの結婚式か。
高くなりそうだな。
僕は頭をポリポリ掻きながらゼクシィを覗き込んだ。
式の事が事細かく記され説明書きされていた。
日取りや挙式場の予約の仕方等が解りやすく解説されていた。
一方たまごクラブはマタニティファッションが一覧表になっていてヘビロテ風なスナップ付きだった。
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