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貴方だけに溺れたい
第7章  貴方に逢いたい

「この細いのって、ヒゲ?」
「うん。白い部分も入れるんだって」
「ふーん……」
「何?」
「いや別に……」
「嫌なら取れば?ピンセット持って来てあげようか?」
「いやいや、別に嫌とかじゃ無いから」
「意見があるなら口で言ってよ。秋山さんに伝えておくから」
「やめて。美味しかったって言うだけにして」
「だったら何で、そんな嫌そうな顔するの?」
「……嫌そうな顔って……まぁ、ガサツな気はするけど……」
「ガサツ?大胆とかじゃ無くて?」
「……まぁ、そうとも言うけど、トウモロコシのヒゲとか芯とかさぁ、もともとゴミじゃん。だからなんか、炊飯器にゴミ入れて作ったようなイメージがして……」
「……一言言っていい?」
「なに?」
「だったら食べるな」
「いや、食べるよ。美味しいもん」
「…………」

出汁も出ないようなお前の方が、よっぽどゴミみたいだと思うけどな!?

「ごちそうさまでした」

夕食後、トウモロコシご飯に対する智之の発言に苛立ちながらも、葵はすぐに片付けを終わらせ、先日、陽子から教わったレシピを料理用のノートに書き込んだ。

『ヒゲと芯も一緒にお釜に入れて炊くのよ。お塩とお醤油を少しだけ入れてね』

驚くほど簡単な説明ではあったけれど、実際に試してみればトウモロコシとヒゲはサクサクとした絶妙な歯触りで、味も濃くて美味しかった。
味付けなんて本当に必要無いほどトウモロコシの味が染みていたし、こんな調理法を見付けた人はかなり大胆な人なんだろうと思ったほどだ。

森川さんも同じようにして食べたのかな?
否、きっともっと美味しく出来たご飯を食べたはずだ。
結局はお礼よりも先に食べる事になってしまったけれど、これはこれで"話題"に出来るだろう。

しかし今になって始まった事では無いが、智之の発言の非常識さには本当に呆れる……。

本人は"正直な感想"を口に出しているだけで批判をしているつもりは無いと言うが、その発想そのものが偏っていて下品なのだ。
今さら注意したところで改める事もしないだろうし、葵自身ももう諦めてはいるが、いつも以上に腹が立つのは、やはり森川に繋がる話だからだろうか……。


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