この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴方だけに溺れたい
第7章  貴方に逢いたい

翌朝、葵は智之を送り出した後、急いで洗濯機を回して掃除を始めた。
時刻は8時半。
急ピッチで家事を終わらせたくても、洗濯物を干し終わるまでは出掛ける事も出来ず、ただそわそわとした気持ちのまま何度も時計を確認してばかり。

今日は公園に森川はいるだろうか?

確実に"居る"というような話はしていなかったけれど、"居ない"とも思えない。
自分のポジティブな予感が当たる事は殆ど無いけれど、やはり賭けてみたい思いはあった。

会いたい。
勿論、彼を前にしたら、自分は挙動不審になったり、会話さえまともに出来なくなるだろう。
だけどほんの一時でもいいから、現実から遠く離れたいと思っているのだ。

実際、こんなにイライラしている自分が嫌だった。
昨夜も入浴後に一悶着があった。とはいっても喧嘩があったわけでは無く、どうにか我慢して切り抜けたが、その後も暫く苛立ちが続いていた。

『葵……俺、ちょっと、どっかおかしいのかもしれない……』

それは入浴を終えて部屋に戻るなり、智之が言い出した"言い訳"の内容。
しかしそれまでの間、彼は思い悩んでいたというよりも、毎週欠かさず観ているテレビドラマを楽しんでいるようにしか見えなかったが……。

『言われた事忘れちゃうし、葵を怒らせる事ばかりしちゃうじゃん……』
『……』
『なんでだろう……』

"なんでだろう"と同情を求めるような表情を浮かべて言われても、白々しいとしか思えない。
それに彼の悲観的な"言い訳"も珍しくは無く、寧ろ葵の苛立ちを更に膨張させていた。

しかしお風呂でざんざん悪態を吐いた後だし、疲れてもいた。
怒りに任せて "言われた事を忘れるのは、どっかがおかしいんじゃ無くて。あんたが私を軽視しているからでしょう!?" と言ってやりたい衝動もあったが、怒りに任せればその後のダメージも計り知れない。

『知らないけど、忘れやすいなら紙に書いて貼っておけばいいじゃない』

だからそう答えるだけに止めて寝室へと入ったが、その後に智之のベッドを蹴りつけたのは言うまでもない。


/225ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ