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貴方だけに溺れたい
第7章  貴方に逢いたい

「本当にね、男の人は兎も角、女には期限もあるんだから。子供が出来ないならちゃんと考えなくちゃいけないし、あなただって若くも無いんだから、いつまでも遊んでる場合じゃ無いでしょう?」
「はい、そうですね……」
「智君は、あの人は優しいから何も言わないだろうし。私達が聞いてもはっきりしなくて、それで葵ちゃんの事庇ってるつもりなんだろうけど、ちょっと呑気過ぎるのよね。だからそこは葵ちゃんがもっとしっかりしないといけないの。ね?」
「……はあ……」

もしもこの場で真実をぶちまけたら、多代はどんな反応を見せるだろうか?

明らかに原因は女にあると決めつけたように話す多代を見ながら、葵は苛立ちを堪えながらそう思っていた。
もしも真実を話したら?

『子供が出来ない原因は、あなたの息子さんが男性の不妊症だからです。男性不妊、知ってますか?息子さんの場合は閉塞性無精子症っていって、精子の通り道が詰まってしまって正常な射精が出来ないんです。手術で治せる可能性もありますが、彼は他人に知られたくないとか時間が無いを言い訳にして治療する事もしません。私もさんざん言いましたけど、その度に言い訳や被害妄想で拗ねられてたら、もう何も言えないし言う気にもなれない。
どう思いますかお義母さん?優しい智君は親を心配させないように本当の理由を言わないなら、確かに優しいのかもしれませんけど、私にはただ単に、面倒な事はしたく無いだけにしか思えませんけれど?』

しかし実際には、言いたい事を一言も言えない。

娘の受け売りのような知識で悦に入り、息子に対する絶対的な信頼で嫁を嗜める姑。
勿論、本人は気付いていないだろうし、多代の発言に対する自分の解釈が偏っているのも分かってはいるが、もしも思っている事のすべてを吐き出したとしたら、この人はどんな反応をするかと思う。

ショックで卒倒するだろうか?
過剰反応して、生んだ自分の責任だと悲観する?
それとも私の作り話だと思って、端から信じない?

何れにしても、予想出来ないから、言えないのかもしれない……?


***



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