この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
貴方だけに溺れたい
第7章 貴方に逢いたい
どうしてもっと警戒しなかったんだろう。
もっとはっきりと拒絶していれば、少なくともあんな目には遇わなかったかもしれないのに。
『ねぇねぇ、何カップ?おっぱい何カップ?』
あの時の彼らは__特にアキラは盛りのついた犬のようだった。
急いで缶ビールを並べる葵の仕事を邪魔するように肩や腕を触ろうとしながら低俗な言葉を並べ、何度振り払っても、逆に面白がるようにそれを繰り返していた。
そして最終的には、立ち上がろうとした葵の隙をつくように後ろから抱き付き、胸を鷲掴みしてきたのだ。
その時の恐怖は忘れられない。
アキラに羽交い締めにされた葵は、予想もしていなかった衝撃に短い悲鳴しか出せなかった。
体勢は崩れて尻餅をつき、両腕の動きを封じられたまま、胸の形を強調されるように服の上から持ち上げられていた。
『おおっ、すげっ!でかっ!!』
『やっ…ちょっ、やめ…』
『おっぱい、めっちゃやらけー』
『ッツ!!!!』
その日の葵は長袖のTシャツの上に大きめのロングニットを着ていたが、胸の膨らみが目立たないような服を選んだところで事実を隠せるわけでは無かった。
声にならない声を上げながら必死にもがく葵の抵抗など構う様子も無く、アキラはニットの上から鷲掴みにした胸を握り、仲間達にその大きさと柔らかさを示すように揉み始めていた。
痛い。怖い。気持ちが悪い。
アキラから逃れようと無我夢中で体を捻り、肘から下を持ち上げて背中を丸めようとしても、男の腕を振りほどく事は困難だった。
それどころか、もがけばもがくほど、アキラは下品な笑い声を上げながら葵に密着してその胸を強く揉みしだき、更には指先を使い、その先端を突いたり引っ掻いたりして弄り始めた。
もはや気持ちが悪いなんてものでは無い。
悪寒、鳥肌、頭に血がのぼり、殺意すら芽生えていた。
しかしいくら葵が全力で暴れていても、所詮、男の力に敵うわけが無かった。