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貴方だけに溺れたい
第7章  貴方に逢いたい

結婚を意識し始めたのは、25歳を過ぎた頃だった。
その頃になると周りの友人や知人達が次々と結婚を決め、葵を含む"新婦の友人達"は結婚について考え、話題にする機会が増えていた。
気の置けない友達同士の話はリアルだ。
誰もが結婚に対する憧れを持っていたが、少女時代とは違い、相手が好きな人なら良いというわけでは無い。
相手の職業や生活環境、性格やセックスの相性に至るまで、たとえ相手を愛していても、誰もが慎重に考えているように思えた。

しかし葵自身は、彼女達ほど慎重では無かった。
相手の性格は重要視していたが、職業や収入に関しては相手に頼るわけでは無いし、セックスに対しても特に興味も無かったからだ。
確かに胸や秘部を弄られれば感じるが、気持ち良いと思った事も無い。
映画や物語の世界のようにロマンチックで情熱的なものでも無く、ただ単純に男が射精すれば終わるもので、そこに至るまでの時間が長ければ苦痛で、短ければ対応に困るだけのものだった。

智之と出会ったのは29歳の誕生日を迎えて間もない頃だった。
その頃になると結婚について語り合っていた友人達も次々と結婚してゆき、葵一人だけが何も変わらない生活と年齢に焦りを覚えていた。
仕事に関しても、10代20代の女性を対象にした商品を取り扱うには限界があると感じ始め、転職を考えたり当時働いていた店長に社員登用について相談をしようかと悩んでもいた。
しかし当時の葵は、それら全ての選択に対して消極的になっていたのだ。

35歳になった現在なら、29歳での就職なんて遅過ぎるとは思わない。
けれど当時の葵にとっては、何もかもが手遅れに感じてしまっていた。
結婚も仕事も。
自分の将来について楽観視し、何も考えてこなかった事に後悔していた。
だから余計に、結婚を意識してしまったのだろう。

そんな心理状況の中で出会った智之という男の存在は、葵に残された唯一の救いでもあったのだ。


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