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貴方だけに溺れたい
第8章  根底にあるもの

現に彼は微笑む様子も無く、蓋を閉じたクーラーボックスを奥へと押し込むと、そのままリアハッチの縁に浅く腰を下ろして葵を見た。

その表情は困惑しているようにも怒っているようにも見えたが、葵自身、彼の心証とは関係無く、これは説明が必要だとは思ったのだ。

「実は私、所謂ギャル……というものだったんですが」
「…………ん?」
「若気の至りといいますか」
「……うん……」
「はい……」

とはいえどこから説明すれば良いのか分からず、咄嗟に浮かんだ言葉を口にしたところで、更に彼を困惑させてしまったようだ。

"理路整然と語れる女"
確かそんな自分を目指してもいたけれど……。

「……ギャルっていうのは、コギャルとか、一時期ブームになってた子達?」
「あ、そうですそうです!」
「あぁ、そうなんだ。まぁでも、意外では無いかな」
「……そうですか?」
「うん。あくまで俺のイメージだけど」
「イメージ?」

そんな中で森川が助け舟を出してくれるのは有難いが、ブナ林で話していた自分は何処に行ってしまったのか。

「悪いイメージじゃ無いよ」と応える森川を目の前に、葵は自分自身の不甲斐なさと、そわそわとした緊張を全身に感じ始めていた。
だだその原因だけは分かっている。

「あの……隣に行ってもいいですか?」

彼がリアハッチに腰を下ろした事で、目線がほぼ同じ高さ。
更に向き合ってしまえば、不自然に目を逸らす事も顔を背ける事も出来ないし、今更だけどノーメイクの顔を晒しながら話に集中出来るわけが無い。

ただでさえ話すのが下手なのに……。

「あぁごめん、気が利かなくて。どうぞ」
「すみません。なんか落ち着かなくて」
「職員室で先生に怒られてるような構図だったね」
「そうかも……」
「ごめんね。思い出させちゃった?」
「……やっぱり悪いイメージあるじゃないですか!」
「一般的なイメージ。俺個人のじゃ無い」
「……別にいいですけどね。事実だし」
「なかなか興味深いな」

それでも右側を空けてくれた彼の隣に座るのは、これはこれで大胆な事をしてしまったとは思う……。

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