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貴方だけに溺れたい
第8章  根底にあるもの

「本来の自分からは、だいぶかけ離れていた?」
「……たぶん、そうなんじゃないかなって、思ったりもします……。でも私、頭の中はたいして変わってはいないんですよ?口も悪いし、足癖も悪いですし……喧嘩っぱやいですし」
「ブッ……」
「今、笑いました?」
「ごめん、吹きました」
「……でも、そんな部分でも、考え方次第では安心出来る要素かもしれないなって、ちょっと前向きに考えられるようになったから、半分くらいは解決したと思って良いのかなって、思ったんです」

"根っこは変わってない"
"自分自身も、根本的な部分は変わってないはず……"

短所を肯定化するような説明になっていたが、話したい事はきちんと話せたつもりだ。
しかし話している途中で、何度も森川の話を切り出してしまいたい衝動もあった。
その方が、もっと具体的に話せるような気がしていたからだ。
けれど確信があるわけでは無い。自分自身の解釈で"根っこの話"をしたところで、単純に彼を困らせるだけだろうと思ってたのだ。

ただ結論に至るまでの説明が、長いだけの愚痴だったかもしれないが……。

「以上です……」

若干の申し訳なさを感じながら隣を盗み見ると、森川は吹き出した時のまま、拳を口元に当てながら眉をひそめ、明らかに笑いを堪えている様子だったが……。

「好戦的なのは、イメージ通りかな」
「はっ!?」
「実は第一印象」
「……私、森川さんに喧嘩売った事は無いです」
「あれ、そうだったかな?」
「……」

淡々とした口調で返された言葉は、予想外を通り越して"心外"。
口元に笑いを残しつつ此方を見た彼を凝視しつつ、葵は眉間を寄せたまま記憶を掘り返していたのは言うまでもない。

対して森川は、驚き顔で自分を見る葵の反応に笑いを堪え切れない様子だったが、そんな彼女の目元を指先で示しながら「それだよ」と続けた。

「目だよ」
「……め?」
「そう。言われた事はあるでしょう?目力があるとか」
「あぁ……」

確かにそれは、何度も言われた事はあるが、好戦的と言われたのは初めてだし、何よりも、喧嘩なんて売った事は無い。

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