この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
貴方だけに溺れたい
第4章  秘密

「興味無い」
「は?」
「聞いててもつまんないから、その話はもういいや」

敢えて面倒くさそうに言う。
話の腰を折られた智之が怪訝な表情を浮かべたのを確認すると、葵は自分の分の皿を盆に乗せながら立ち上がった。
まだ食べ掛けではあるが、そんな事は智之にとってはどうでもいい事だろう。

「ちょっと待ってよ、葵。つまらないとか、そういう話じゃ無いんだから」

そう言いながら呆れ顔で溜め息を吐くのは予想通り。
智之の中では、葵は"我儘"で理解力も無いという思い込みがあるから、話を切り上げるにはこの方法が手っ取り早いのだ。
勝手に呆れていればいい。
どうぞ我儘で自己中心的な妻に、人として大切な常識とやらを教えて下さい。
自分の愚かさはしっかりと棚に上げちゃって構いませんから、納得がいきそうな説教をしてみて下さい。

「だって私には関係の無い人だもの」
「関係無くないでしょう?これから暫く近所に住むんだから」
「だから?」
「だから?って……葵よくそういう言い方するけどさ、分かんない?」
「分からないから聞いてるんでしょう?だいたい、私がその森川さんと接触する可能性ってあるの?」

充分にあるけれど。

「そういう事言ってるんじゃ無くてさ……」
「なに?」
「…………」

智之の沈黙は、答えにくい部分を聞かれた為だろうか。
言葉に詰まったのを誤魔化すように溜め息を吐き、困ったように額を押さえるその様子を見て、葵は僅かながらに同情した。
智之は自分のフォローの為に、森川の不審さをイメージ付けたかっただけなのに……まさか自分で自分を追い詰める事になるとは……。

「……でもさ、あるかもしれないじゃん!」

往生際の悪い小学生かよ。

「なに?」
「葵、声掛けられるかもしれないじゃん。可愛いから」

誤魔化し方が安直過ぎて呆れる……。


/225ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ