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貴方だけに溺れたい
第4章  秘密

ゴミ出しに掃除と洗濯。
一通りの家事を済ませた頃には、時刻は早くも9時になろうとしていた。

夕食の準備をしていなければ今頃はもう公園に着いている時間帯だったが、帰宅時間の遅い日は夕食を作ってから出掛けるのが葵の習慣だった。
しかし今更ながら、失敗したと思う。
森川と約束を交わした時、葵はその事をすっかり忘れて『同じ位の時間に行く』と伝えてしまっていたのだ。

先日、彼と会ったのは何時位だったか……確か9時頃だったと思うけれど、これから急いで準備しても公園に着くのは9時半を過ぎた頃。
時間的には大きな遅れにはならないのかもしれないが、森川は仕事中でもあるし、何よりも葵自身がその遅れを許せなかった。

粗熱のとれたハンバーグを冷凍庫に入れ、冷蔵室の扉に挟んだ糸と炊飯器のタイマーを確認してから急いでキッチンを出た。
無造作に纏めただけの髪からヘアクリップを外し、ボサボサに乱れたセミロングを手櫛で解しながら寝室に入ると、葵は止まる事なくウォークインクローゼットからデニムのスキニーと淡いグリーンのチュニックを出して姿見の前に移動した。

メイクは洗濯機を回している間に済ませていたけれど、ファンデーションに薄いアイシャドウとチークをのせただけの顔は、仕事に行く時と変わらない。
葵はいわゆる、目鼻立ちの整った派手顔だった。
その為にメイクをしていなければ疲れて見えるし、口紅の色次第でばっちりメイクをしたような顔になってしまう。
他人の身なりに敏感な人達が多い地域だ。
化粧も服装もいつもと違えば、余計な詮索をしてくる事は目に見えていた。

別に今から悪い事をしに行くわけでは無い。

しかし葵の中では極めてそれに近い感情が芽生えていて、些細な変化や違和感が無いように意識している自分がいた。


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